今年5月、中国の15歳少女が、自らの妊娠をSNS上に写真付きでアップし、性の低年齢化が問題になったばかりだが、今度は30歳以上年の離れた男と駆け落ちした少女に関するニュースが入ってきた。

「頭條新聞」(6月14日付)によると、中国南西部に位置し、少数民族も多く暮らしている貴州省沿河トゥチャ族自治県の山中で、ホームレスのような生活をしている男女が発見されたという。

発見した村人によると、2人は村の近くにある洞穴で生活しており、村人たちは当初、2人を親子だと勘違いしたという。

 しかし、2人から事情を聴いたところ、男は46歳で、少女はなんと15歳。しかも、少女はこの男の子どもを身ごもっており、すでに妊娠8カ月であることがわかった。2人を知る関係者の話によると、2人は真剣に交際をしていたが、少女の両親から交際を反対され、駆け落ちをして、人里離れたこの洞穴で生活を始めたのだという。

 現在、少女は地元当局に保護され、実家のある重慶市に帰されたという。一緒にいた46歳の男は、この少女が14歳の時点で性的関係を持ったということになり、警察は強姦罪容疑で事情聴取したという。


 30歳も年の離れた男女の“愛の逃避行”に関して、中国版Twitter「微博」には多くのユーザーからコメントが寄せられた。

「愛に年齢は関係ないっていうけど、相手が若すぎると逮捕されちゃうんだな」
「このジジイが金持ちで高級マンションに暮らしていたら、少女の両親も大賛成してただろう」
「洞穴で出産して、このままずっと生活するつもりだったのか? いくら愛し合っていたとしても無理があるだろ?」

 中国では今回のように、10代少女と年の離れた男性が駆け落ちする事件が増加している。2015年5月には浙江省で、14歳の少女が34歳の男と駆け落ちし、警察が男を誘拐容疑で逮捕する事件も発生している(「中国新聞網」同年5月27日付)。中国の社会問題に詳しい北京市在住の日本人大学講師は、次のように語る。

「中国で近年多発する10代の少女と中年男性の駆け落ちには、共通点があるんです。少女のほうは留守児童という場合が多い。
留守児童とは、両親が都市部に出稼ぎに行って不在で、学校にも通わずに実家の祖父母に預けられた子どもたちのことです。両親の愛に飢えている10代の思春期の少女は、両親と同じ年齢くらいの男性に癒やしを求めてしまうのでは? 中国には留守児童が現在6000万人以上いるといわれていますが、さまざまな悪影響が出てきています」

 日本では駆け落ちは美談とされることも多いが、中国では複雑な事情があるようだ。
(文=広瀬賢)