Q.妊活歴半年、34歳の会社員です。妊活をスタートさせるとき、夫は「何でも協力するよ」と言ってくれ、とても協力的な態度を取ってくれました。
しかしタイミング法を6ヶ月続け、次に人工授精に移行した時期から、その態度が一変しました。採精をお願いしてもどこか不機嫌だったり様子がおかしいのです。私があまりにも「ニンカツ!ニンカツ!」という態度を取っていて、それで傷つけたのでしょうか? そもそも私からお願いするかたちで始まった妊活なので、夫に強く言えません。なぜ彼の態度が変わってしまったのか? その原因を、男性であるゴローさんにお聞きしたくメールしました。
(34歳・会社員/妊活歴半年)
妻の不妊治療経験者で、「パパになりたい!」男たち101人の本音を聞いた『俺たち妊活部』の著者である筆者が、30代夫婦の妊活事例をもとに”協力的でなくなる夫”についてお伝えします。
結論から申しあげますと、投稿者の旦那さんはいま“おじけついてる”“びびってる”状態にあるのでしょう。
最初に「何でも協力するよ」と言ってくれたのも、それは協力的なのではなく、何も考えずのカラ手形だったのです。
それが“人工授精”となった際、女性のバイオリズムに合わせての採精などが必要になってくる。つまり、「協力するよ」と言った言葉が具体化してきた。
旦那さんのほうからすれば「協力するとは言ったが、実際となるとねえ」といったところでしょう。
またタイミング法なら一体感がありますが、人工授精となると精子を提出するだけですから“運び屋感””義務感”すら生じてしまったのかもしれません。
本能的に「赤ちゃんが欲しい!」と思う男はごく少数自分の経験で言うと、僕の場合、採精した精子を持って妻と一緒にクリニックに行きました。
実際、僕が一緒に持っていく必要はないんですよ。妻がクリニックに行くのですから、妻に手渡せば済む話です。
でもね、妻に自分の精子を持たせてひとりでクリニックに行かせるなんて、ちょっと寂しいじゃないですか。男の僕には治療で協力できることは、元気な精子を提供するだけ。でも治療以外でなら、何でもやることはあります。妻を元気づける、笑わせる、家事を手伝う。
つまり何が言いたいかというと旦那さんは「甘ったれ」てるんですよ。本気で子どもを欲しいと思ってないのかもしれません。もしくは女性が本気で子どもを欲しがる気持ちがわかってないのでしょう。だから採精すら戸惑い、不機嫌になるのです。
しかし旦那さんをやり玉にあげることが目的ではありません。どうすれば旦那さんが本気で妊活に関わってくれるのか、ということです。
同じ男として旦那さんを弁護すれば、本当にただ戸惑っているだけなのです。男は女と違い、本能的に「赤ちゃんが欲しい!」と思う男はごく少数でしょう。
そのため「子どもをつくるということは、その子が高校を卒業するまで養う義務がある。それまで俺の仕事は……会社は……」と、その責任感と戦っている最中かもしれません。
ですから「戦っているのはあなただけじゃないよ」「子どもをつくり産むってことは、もっとシンプルなことなんだよ」と理解させるためにも、一度一緒にクリニックに行ったほうがいいかもしれません。
そこにいる多数のカップルや同じ立場の男たちを見れば、多少は勇気に変わるはずですから。
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※ tommaso79、 fizkes / Shutterstock