自然に囲まれる美しい英ウェールズで悲しい事件が起こった。優秀な競走馬を育ててきたブリーダーの馬小屋が何者かに放火され、将来を有望視されていたオスの馬が命を落とした。
オーナーらは悲しみと怒りを露わにしている。英メディア『BBC News』『Metro』などが伝えた。

11月26日午前6時半頃、ウェールズのケアフィリ郡クブン・フォレストにある馬小屋が何者かに放火された。

犠牲になったのは2歳のせん馬ロドニーで、今年の夏をモンマスシャー州アバーガベニーの草原で過ごし、3週間ほど前にこの小屋に戻ってきたばかりだった。ロドニーの母ジューリア(9歳)は一命を取り留めたものの顔や背中、脚に酷い火傷を負っており、現在は動物病院で治療中とのことだ。

馬小屋を管理しているブリーダーのジャネット・ヴォークスさん(64歳)とブライアンさんは大きな悲しみに打ちひしがれており「どうしたらこんな残酷なことができるんだ」と怒りを露わにしている。
全壊した小屋の被害額はおよそ3,000ポンド(約45万円)になるという。

ジャネットさんとブライアンさんは、1895年から続く競馬の競走「ウェルシュナショナル(Welsh Grand National)」で2009年に持ち馬ドリーム・アライアンス(Dream Alliance)が優勝したことからブリーダーとして名を知られることとなった。ドリーム・アライアンスの活躍を描いた2015年公開のドキュメンタリー映画『Dark Horse』は、第18回英国インディペンデント映画賞のベスト・ドキュメンタリーやアメリカのサンダンス映画祭でのワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門観客賞などを受賞している。このたび命を落としたロドニーもドリーム・アライアンスに続き将来有望視されており、来年の春には「インポッシブル・ドリーム(Impossible Dream)」という名で競走馬としてデビューする予定だった。

ジャネットさんは「誰がこんなことをしたのか想像もつかない。小屋には電気を引いておらず、真っ暗だった。
何か知っている人がいたらどうか警察に通報する心を持ってほしい」と訴えている。

サウスウェールズ消防署のジェニー・グリフィスさんは「放火は故意の犯行によるもの」とツイートしており、現在グウェント警察とともに捜査を続けているようだ。このニュースを知った人は「なんて残酷な奴なんだ」「こうした放火犯は社会の敵よ。次の犠牲が出る前に絶対捕まえて!」「まだ若いのにロドニー気の毒に」「犯人は逮捕して重い罪を!」といった声があがっている。

画像は『BBC News 2017年11月26日付「Horse dies after Cefn Fforest arson attack on stable」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)