今年1月、35歳の若さで自らの命を絶った俳優マーク・サリング。ミュージカル・ドラマシリーズ『glee/グリー』の“パック”として知られた彼だが、2015年に自宅のノートパソコンなどから違法コンテンツ(児童ポルノ)が大量に発見され、「25000枚に及ぶ画像、さらに600ものビデオなどが発見され逮捕された」と大々的に報じられていた。
マークは判決を控え「最低4年の実刑は免れない」と見られていたが、彼にとっては「人生をゼロからやり直すチャンス」ではなく「耐え難い大きな苦悩」でしかなかったようだ。

マーク・サリングにとって明るかったはずの将来は「全く見通しの立たぬ暗いモノ」となり、自らの命を絶つしばらく前からは人との交流を避けていたという。「服役して社会復帰しようにも、自分を待っているものは何もない」「復活は不可能だ」と思い詰めるようになり、「自殺直前には落ち込みが酷く死にたがっていた」とも伝えられていた。

判決前に命を絶った彼を「卑怯だ」とする意見、「落ち込みもさぞ酷かったのだろう」と同情する声などが今もファンの間では交わされているが、彼がひどく悲観的になっていたという点だけは否定しようがない。彼の死因については「首を吊っての窒息死」という検視結果が出ているが、このほど芸能情報サイト『TMZ』が報じた内容によると、遺体からはアルコールも検出されたという。ドラッグは検出されなかったものの、彼がどれほどの不安、苦悩、恐怖を感じていたのかは、想像に難くない。


また自身を死に至らしめるべくマークが利用したのは、ナイロン製のロープだったとのこと。それを5回も首に巻きつけたマークは、地面から6フィート少々(約183センチ)の場所にある木の枝にロープを縛りつけたもようだ。なお彼の自殺願望は昨年からあったらしく、検視官によると2.5センチ~6.5センチの切り傷が両手首にあったというから、人生に絶望していたことは間違いない。

そんなマークを家族が最後に見たのは、自宅で父親とTVを見ている姿だった。しかし深夜を過ぎた頃に「マークが自宅から姿を消した」と母親が気付き愕然。彼の行動を監視すべく足首にはディテクターが装着されていたが、家から少し離れた通りに捨てられていたという。
大ヒットドラマに出演し「きっと将来も安泰だ」と信じていたであろうマークの最期は、あまりにも呆気なく訪れてしまった。

「When you hit rock bottom, the only way to go is up.」

落ちるところまで落ちたら、向かえる方向は上しかない―辛い時、もう駄目だと思った時、全てを失ったと絶望した時、ぜひ思い出して頂きたい言葉である。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)