顎ニキビの原因と対策方法|毛穴の皮脂詰まりや肌への刺激に注意

美しくなりたい女性の天敵「顎ニキビ」。ニキビがあるときは、鏡で見るたびに気分が落ち込んでしまいますよね。

顎や口周りにできるニキビは他のニキビと比較して、治りづらいということをご存じでしょうか?顎にニキビができてしまったら、正しいお手入れをすることが重要。間違った方法では、ニキビの炎症を悪化させてしまうこともあるのです。

この記事では、顎ニキビを正しくケアできるように以下の内容について解説していきます。

  • 顎ニキビができる原因
  • 顎ニキビを予防する方法

顎ニキビができる原因や正しい予防方法を知って、繰り返しできるニキビ悩みを解決していきましょう。まずは、なぜ顎や口周りのニキビは治りづらいのか?ニキビができる原因を解説していきます。

1.顎や口周りのニキビは治りづらい

顎や口周りのニキビは、他の部分にできるニキビと比較しても治りづらいといわれています。理由は3つあります。

  • 顎は無意識に触れてしまうパーツだから
  • 顎は皮脂が出やすいパーツだから
  • ホルモンバランスの乱れなど意識的にコントロールできない原因があるから

顎や口周りにできるニキビは、汚れが付着しやすいのが特徴。無意識に触ってしまい、菌の繁殖を促進させてしまうことがあります。

また顎は、皮脂を分泌する「皮脂腺」が多く存在している部分でもあります。ニキビの原因菌が育ちやすい「油分の多い環境」が作られるため、一度ニキビができてしまうと悪化しやすく治りにくいといわれているのです。

顎ニキビができる理由はさまざまですが、ホルモンバランスの乱れなど意識的にコントロールできない原因もあります。このような理由から、顎にできてしまったニキビは治りづらいとされています。

矢加部先生
矢加部先生

これから述べる「顎ニキビができる原因」にも続きますが、顎ニキビの一番の原因はホルモンバランスの乱れによることです。しかし、意識することで取り除ける原因も多いので一緒に見ていきましょう。

次は、顎ニキビができる原因について詳しく解説していきます。

2.顎ニキビができる原因

顎ニキビができる原因は、7つあります。

  1. 乾燥による皮脂の過剰分泌
  2. ホルモンバランスの乱れ
  3. 不規則な生活や睡眠不足
  4. 紫外線による刺激
  5. ストレス
  6. 触れることによる外部刺激
  7. ビタミン不足

顎ニキビは、肌のコンディションが原因となる場合から、睡眠不足などの生活習慣が原因でできる場合もあります。ひとつひとつの原因を、詳しく知っていきましょう。

2-1.乾燥による皮脂の過剰分泌

顎ニキビができる原因のひとつに、「乾燥による皮脂の過剰分泌」があります。乾燥が原因でできてしまうニキビは、思春期にできてしまうニキビと違うのが特徴です。そのため、成人してからできるニキビは「大人ニキビ」と呼ばれることもあります。

顎は、顔の中でも皮脂腺が多く存在するパーツです。皮脂腺は多く存在するのですが、肌の水分量は少なくなりやすいという特徴があります。

「水分が少ない」という状態になると、肌は乾燥を補おうとして皮脂を作ります。そうなると、皮脂線からは過剰に皮脂が分泌されます。過剰な油分が原因で毛穴が詰まったり、菌が繁殖しやすくなったりするのです。

大人になってからできる顎ニキビは、肌の乾燥による皮脂の過剰分泌が原因でできてしまいます。

2-2.ホルモンバランスの乱れ

顎ニキビができる原因としてよく知られているのが、「ホルモンバランスの乱れ」です。私たちの体の中では、複数のホルモンがバランスをとりながら存在しています。

女性ホルモンのバランスが崩れた場合、体内では男性ホルモンが優勢になります。男性ホルモンが多くなると、角質層が厚くなったり皮脂が出やすくなったりします。角質層が厚くなる、または皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります

結果として、詰まった毛穴で菌が繁殖してしまうことで顎ニキビを生み出すのです。

2-3.不規則な生活や睡眠不足

顎ニキビは、不規則な生活や睡眠不足が原因でもできてしまいます。理由は、寝不足状態が続くと自律神経やホルモンバランスが乱れてしまうからです。

私たちの肌は、眠っている間に分泌される「成長ホルモン」によって毎日生まれ変わっています。例えば小さな顎ニキビを見つけたとしても、肌の修復機能や生まれ変わりがスムーズであれば悪化せずに治ることもあるのです。

反対に、十分な睡眠時間が確保できていない場合、肌の生まれ変わりがスムーズに行われなくなります。睡眠不足は顎ニキビをできやすくするだけではなく、できたニキビの治りを遅らせることにも繋がってしまうのです。

2-4.紫外線による刺激

顎ニキビは、紫外線による刺激が原因でもできてしまいます。皮脂の過剰分泌が引き起こる理由として、乾燥やホルモンバランスの乱れだけではなく、紫外線によるダメージも関係するからです。

お肌は、紫外線を浴び続けると角層にダメージを受けます。ダメージから肌内部を守ろうとする機能が働くため、自然と角質が厚くなるのです。厚くなった角層では、うまくターンオーバーが行われなかったり、毛穴が詰ったりします。毛穴の詰まりが起きることで、結果として顎ニキビができてしまいます。

また、すでに顎ニキビができている人は、紫外線対策をしっかりとする必要があります。顎ニキビがある状態で紫外線に当たると、メラニン色素を誘発させてしまい「ニキビ跡」が残りやすくなります。顎ニキビの予防・顎ニキビの悪化を防ぐためにも、紫外線対策をしっかりとしていきましょう。

2-5.ストレス

ストレスは、顎ニキビができる原因になります。ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れます。自律神経は、体の調子を整える働きをする大切なもの。乱れると、ホルモンバランスが崩れたり、体調が悪くなったりします。

ホルモンバランスの崩れは、皮脂の過剰分泌に繋がります。結果として、ストレスが引き起こすホルモンバランスの乱れで顎ニキビができてしまうのです。

ストレスでニキビができる原因とは?できやすい箇所やストレス解消法も
繰り返すニキビの原因は、ストレスが溜まっているからかもしれません。この記事では、ストレスでニキビができてしまう理由や原因を詳しく解説していきます。記事の最後には、すぐにできるストレス解消方法までを説明しているので、参考にしてみてくださいね。

2-6.触れることによる外部刺激

顎ニキビは、触れることによる外部刺激でできやすくなります。男性であれば口周りの髭剃り、女性であれば口周りのメイクアップなどが「外部刺激」に当たります。日常生活には、習慣になっている「肌刺激」が存在していて、知らず知らずのうちに肌にダメージを与えているのです。

このような肌への直接的な刺激は、肌を傷つける原因になります。毛穴に雑菌が侵入し、毛穴内部で菌が繁殖してしまいニキビへと成長していきます。

また昨今では、コロナ禍でマスクの着用が日常化していました。マスクによって生じる摩擦も顎ニキビの原因になっていると言われています。このように、触れることによる外部刺激で、顎ニキビの発生や悪化が引き起こります。

2-7.ビタミン不足

顎ニキビができる原因のひとつに、ビタミン不足が挙げられます。私たちの体や肌は、食べているものから作られています。

特に、肌や粘膜を作るために重要な働きをするビタミンAや、皮脂分泌をコントロールする役割があるビタミンBなどは、必ず押さえておきたいビタミン。不足することで、ニキビができやすくなったり、オイリー肌に偏ったりします。

肌に必要な栄養が不足してしまうと、肌本来の機能が働きません。ビタミンが不足したお肌は、ニキビができる、またはニキビを悪化させます。

矢加部先生
矢加部先生

ビタミンB群、特にビタミンB2,B6は皮脂の代謝に関わる重要なビタミンです。不足すると、皮脂の分泌が増加するためにニキビができやすくなります。

顎ニキビができる原因を、理解することはできましたか?次は、顎ニキビを予防する方法や対策をご紹介していきます。

3.顎ニキビを予防する方法

顎ニキビを予防する方法は、8つあります。

  1. 朝と夜の洗顔
  2. 保湿ケア
  3. 生活習慣を正す
  4. ストレスを溜めないようにする
  5. 日焼け止めを塗る
  6. 顎を触らない
  7. 健康的な食事を心がける
  8. 内服薬を飲む

大人ニキビの予防に欠かせない保湿ケアから健康的な生活習慣まで、予防法も多岐にわたります。ひとつひとつ解説していくので、さっそく今日から取り入れてみてくださいね。

3-1.朝と夜の洗顔

顎ニキビを予防するために、朝と夜に洗浄剤を使った洗顔を取り入れましょう。大人ニキビの原因には「乾燥」があるため、1日2回も洗顔をするのはよくないのでは?と感じる方がいるかもしれません。

洗顔は正しい方法で行い、保湿ケアまでをセットで取り入れれば「ニキビの原因」になることはありません。朝夜の2回、顔の汚れをしっかりと落とすことで毛穴詰まりの予防になります。ニキビは、毛穴に詰まった過剰な皮脂や汚れにより菌が繁殖して引き起こります。汚れを正しく落とすことは、顎ニキビの予防に大変効果的なのです。

洗浄剤を使うことで、毛穴の頑固な汚れが浮きやすくなります。顎ニキビを予防するために、朝と夜の洗顔を取り入れてみましょう。

矢加部先生
矢加部先生

洗顔で気を付けるべきポイントは洗い方です。 肌への刺激を減らすために、弾力のあるふわふわとした泡をつくり、泡でなでて洗うように心がけましょう。

ニキビ肌におすすめクレンジング13選|悪化させない効果的な洗顔&保湿方法とは?
ニキビを悪化させないためにはクレンジング選びが大切。「ケアをしているのになかなか治らない…」という方に、自分に合った洗顔料を選ぶポイントをご紹介します。

3-2.保湿ケア

顎ニキビを予防するために、保湿ケアは欠かせません。特に大人ニキビは、乾燥していることで引き起こりやすい肌トラブルです。保湿ケアを習慣化すれば、乾燥が原因の顎ニキビの予防ができます。

しかし、顎は皮脂腺が多く油分が出やすいパーツ。保湿をするときは、その時の肌状態に合わせた質感のアイテムを選ぶことが重要です。

化粧水はオイリー肌であれば、軽めの質感であるジェルタイプにする。乾燥肌であれば、程よく油分が補えるローションタイプにするのがおすすめです。自分の肌状態に合わせて保湿するアイテムを選ぶようにしましょう。

【2024年最新】ニキビケア化粧水10選|大人ニキビにおすすめのプチプラ商品もご紹介
大人になっても定期的にできてしまう大人ニキビに悩む女性は多いようです。ニキビができた肌に化粧水をつけると、滲みたり赤みが増したりと、一体何を使ってスキンケアをすれば良いのか迷いますよね。そこで今回は、ニキビ肌におすすめのプチプラ化粧水をご紹

3-3.生活習慣を正す

顎ニキビを予防するためには、生活習慣を正すことが重要です。例えば、睡眠時間がバラバラ・夜遅くまで起きているなどでは、体内時計が乱れやすくなります。できるだけ決まった時間から「質の良い睡眠」をとることが大切。正しい生活習慣を送るための「体内時計」を作りやすくなります。

眠っている間に分泌される「成長ホルモン」も正しく分泌され、肌の修復機能や生まれ変わりがスムーズに行われます。

3-4.ストレスを溜めないようにする

顎ニキビを予防するためには、ストレスを溜めないようにしましょう。とはいえ、ストレスは無意識に溜まるものです。自分でストレスと気が付かずに日々を送っている場合もあります。そうならないために、自分の疲れを癒す方法やリラックスができる時間を意識的に作ることが重要です。

友達と食事に出かけたり一人で本を読んだりするなど、仕事や家事などの日常から離れるようなプランを立ててみましょう。心が休まると、自然とストレスも発散されていきます。ストレスを溜めないようにすることは、顎ニキビを予防するうえでとても重要なポイントです。

3-5.日焼け止めを塗る

顎ニキビを予防するために、日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。一年を通して、外出する時には「SPFやPAなどの表記がある紫外線対策アイテム」を使うようにしてください。日焼け止めは、肌を紫外線から守ってくれます。メラニンの生成を防ぎ、ダメージを最小限に抑えることも期待できます

また、特にニキビのでき始めは、紫外線からの刺激を与えないように気をつける必要があります。ニキビの悪化やニキビ跡を予防するためにも、顎には日焼け止めを塗って出かけましょう。

日焼け止めをしっかり落とすことも忘れずに

日焼け止めを塗った日は、洗顔を丁寧にすることも重要です。日焼け止めが毛穴に詰まったままだと、それが原因でニキビができる可能性もあります。日焼け止めを塗った日は、専用のクレンジングで洗うようにしてください。

3-6.顎を触らない

顎ニキビを予防するためには、「顎を触らないようにする」という工夫が必要です。無意識に触る癖がある方は、自分の行動を見直してみましょう。

すぐに取り入れられる「顎に触れない」方法は、髪型や服装を工夫することです。長髪の方は髪を結ぶことで、顎周りと髪の毛の接触を防げます。また、タートルネックなどの肌につくデザインの服を着ないようにするのもおすすめです。着るものや髪型を工夫することは、ニキビ予防に繋がります。

メイクに使うツールを清潔にしておく

メイクアップをするときは、清潔なブラシやスポンジを使うようにしましょう。汚れがついたままのブラシを使っていると、毛穴に菌を送り込むことになります。また、メイクをするときは必要以上に擦らないようにするなど、優しく触るようにしてみてください。

3-7.健康的な食事を心がける

顎ニキビを予防するために、健康的な食事を心がけてみてください。肌だけではなく、体の不調は全て栄養不足から始まります。日頃から規則正しい食事を摂るようにすることは、顎ニキビの予防にとても効果的です。

揚げ物などの脂質食品ばかり食べないことも重要。野菜や果物を積極的に食べて、栄養の偏った食生活をしないようにしましょう。また、自分の肌コンディションの不調に合わせたビタミン剤を摂取するのもおすすめですよ。

3-8.内服薬を飲む

顎ニキビを予防するために、内服薬を飲むという選択肢もあります。内服薬は、肌の炎症を体の中から抑えたり、菌を抑制したりできます。また、美肌をキープするために重要な肌のターンオーバーをサポートする効果も期待できます。

ニキビ予防には、スキンケアなど外部からのお手入れも重要ですが、体の中からもケアができるということを覚えておきましょう。ニキビが繰り返しできてしまう・顎ニキビがなかな治らない、という方は、専門医に相談して体の中から対策をしていきましょう。

4.治らない場合は皮膚科に相談

顎ニキビが治らない場合は、無理に自宅で直そうとせずに皮膚科医に相談をしてみてください。

皮膚科や専門のクリニックでは、ニキビに対しての専門的な治療が受けられます。自分の顎ニキビの原因が生活習慣の乱れによるものなのか、間違ったスキンケアなのか、専門的に判断してアドバイスが受けられます。

正しい知識がないまま間違ったスキンケアを続けると、ニキビが悪化することもあります。そうならないために、ニキビの治療は医師に相談もできるということを覚えておきましょう。

どこのクリニックに行くべきかで悩んだら、「ニキビの治療を専門的に行っている病院」を選ぶのがおすすめです。ニキビ治療専門で行っているクリニックであれば経験も豊富。治療がスムーズに行われます。

顎ニキビは、症状によってその時に必要なケア方法が異なります。ニキビの成長過程で、「白ニキビ・赤ニキビ・黒ニキビ・黄ニキビ」などと名前もつけられ、症状が4段階に分けられます。

顎ニキビを綺麗に治すためにも、症状に合わせて適切なケアを行うことが大切なのです。ニキビは自分だけで直そうとせずに、専門医に相談することをおすすめします。

矢加部先生
矢加部先生

ニキビは、皮膚科で保険診療にて治療が行えます。ニキビの成長段階に合わせて適した塗り薬や飲み薬の処方が行われます。ニキビがなかなか治らなかったり、繰り返してしまったりする場合は専門医を受診してください。

5.まとめ

顎や口周りにできるニキビは、乾燥や外部による刺激、不規則な生活などが原因でできてしまうことがわかりました。

顎ニキビができる原因や顎ニキビを予防する方法を理解して、毎日のお手入れを工夫することが大切です。いつまでも滑らかで健康的な肌でいるためにも、できることから始めてみてください。