唇にニキビができる原因とは?ヘルペスとの違いや治療方法も

唇周りにできてしまった「唇ニキビ」。一度できてしまうと、食事をしたり喋ったりするだけでも痛みを感じるため、他のニキビよりも気になってしまいますよね。

この記事では、唇にニキビができてしまう原因をまとめました。原因だけではなく、以下の内容についてもご紹介します。

  • 唇にできるニキビとヘルペスの違い
  • 唇ニキビの予防方法
  • 唇ニキビの治し方

唇にできるニキビと似た症状の病気なども存在するので、見分け方も解説していきます。また、ニキビの正しい知識や直し方を知っておくことで、肌トラブルを繰り返さずにすむはず。

まずは、唇ニキビができる原因から説明していきます。自分の唇になぜニキビができてしまったのか、原因を探ってみてくださいね。

1.唇にニキビができる原因

唇にニキビができる原因は、8つ考えらます。

  1. 毛穴が詰まっている
  2. 皮脂の過剰分泌
  3. ターンオーバーの乱れ
  4. ストレスや睡眠不足
  5. 胃腸の機能低下
  6. カミソリによる刺激
  7. 口周りを触ることによる刺激
  8. メイク製品の洗い残し

ニキビは、毛穴が詰まって雑菌が繁殖してしまうことで引き起こる肌の病気。唇ニキビは唇自体ではなく、口周りにできることがほとんどです。唇にニキビができる8つの原因を、詳しく知っていきましょう。

1-1.毛穴が詰まっている

唇にニキビができるのは、毛穴が詰まっているのが原因です。ニキビは、毛穴に潜んでいる常在菌「アクネ菌」が繁殖してしまうことで症状が悪化します。繁殖した菌と闘おうとする肌の機能が働き、毛穴の中で強い炎症を起こしてしまうからです。

アクネ菌が繁殖してしまうのは、毛穴に汚れや皮脂が詰まってしまうため。アクネ菌はそういった油分などを餌として繁殖します。毛穴が詰まってしまうことで、菌を繁殖させて唇付近のニキビを作ってしまうのです。

1-2.皮脂の過剰分泌

唇にニキビができるのは、皮脂の過剰分泌が原因の可能性があります。皮膚表面の角質層には、潤いを守るための機能があります。皮脂が分泌されるのも、肌の潤いをキープするために必要な機能のひとつ。水分である汗と油分である皮脂がバランスよく出ていることで、肌表面は潤いを保つことができるのです。

しかし、皮脂が過剰に分泌されてしまうと、油分が多くなって潤いのバランスが崩れてしまいます。潤いバランスが崩れた肌表面は、皮脂が増えて油分過多の状態に傾きます。毛穴が塞がれてしまい、詰まって唇周りにニキビが発生してしまうのです。

肌の乾燥も皮脂分泌を引き起こす

唇ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因です。じつは肌が乾燥している場合も、皮脂の過剰分泌が引き起こります。肌が乾燥している状態が続くと、毛穴では皮脂が大量に生産されてしまいます。皮脂を分泌して肌の乾燥を止めようとするからです。

皮脂が過剰に作られてしまうと、排出しきれなかった皮脂は毛穴に溜まります。毛穴詰まりの原因になり、ニキビができてしまうのです。このように、肌の乾燥も皮脂分泌を引き起こすので、唇ニキビを作る原因になります。

1-3.ターンオーバーの乱れ

唇にニキビができるのは、ターンオーバーの乱れが原因かもしれません。肌の生まれ変わりであるターンオーバーは、乱れることで肌トラブルを引き起こします。ターンオーバーが乱れると、肌表面には本来剥がれ落ちるべき古い角質がついたままの状態に。だんだんと、角質層が厚くなっていきます。

毛穴周りの角質層が厚くなると、皮脂が排出される出口が塞がれてしまい、毛穴が詰まってしまうのです。ターンオーバーの乱れで毛穴が詰まることで、唇にニキビができてしまいます。

1-4.ストレスや睡眠不足

ストレスや睡眠不足も、唇にニキビができる大きな原因です。ストレスが溜まると、肌のもともとの機能が乱れやすくなってしまうからです。

ストレスが原因でターンオーバーが乱れたり、皮脂の過剰分泌が起きてしまったりします。ニキビのなかでも、特に唇付近にできるニキビは「ストレスが大きな原因」とされているほど。

ストレスが原因のニキビは、他のパーツではなく口周りに現れやすいのです。

また、睡眠が十分に取れていないと、寝ている間に行われる肌の細胞分裂も滞ってしまいます。睡眠中は最も「成長ホルモン」が分泌されると言われていて、肌ダメージの修復や改善の多くはこの時間にされています。

ストレスが溜まったりや睡眠不足になったりすると、肌の不調が引き起こり唇ニキビができてしまうのです。

1-5.胃腸の機能低下

唇にニキビができるのは、胃腸の機能低下が原因かもしれません。口元は、胃腸の健康と繫がっていると言われています。胃が弱っていたり不調が続くことで、口元に「ニキビ」となって現れるのです。

刺激の強すぎる食事をしていたり、胃に負担をかける薬を頻繁に飲んでいたりすると、腸機能が低下する原因になります。胃腸の機能低下が引き起こると、唇付近にニキビができやすくなります。

1-6.カミソリによる刺激

カミソリによる刺激も、唇にニキビができる原因となります。口元のムダ毛をお手入れするときに、必要以上に力を入れてしまったり切れ味の悪いカミソリを使っていたりすると、肌はダメージを受けます。カミソリを使ったときの肌への刺激で、ニキビを引き起こしてしまうのです。

また、使い古しているカミソリを使っている場合も注意が必要。カミソリに雑菌や汚れが付着している場合もあります。肌に触れるたびに汚れが付いてしまうと、菌の繁殖を促してしまうかもしれません。カミソリによるムダ毛処理が原因で、唇周りにニキビができてしまうことがあるのです。

1-7.口周りを触ることによる刺激

唇にニキビができるのは、口周りを触ることによる刺激が原因です。口周りは、普段から触れる機会が多いパーツ。食事をしたり飲み物を飲んだりするだけでも、食器などによる摩擦が生じます。感染予防のためにマスクをしているとき、マスクのズレを直すときなどにも摩擦を与えてしまいます。

また、口元を触るクセがある人も多いので、手の皮脂が唇周りに付着してしまうのです。このように、唇周りを触ることによる刺激が原因で、唇ニキビができてしまうのです。

1-8.メイク製品の洗い残し

唇にニキビができるのは、メイク製品の洗い残しが原因の可能性があります。特に口元は、ファンデーションやメイク下地が溜まりやすい部分。濃いめの口紅をつけた場合、口周りに染み付いてなかなか落ちないこともあります。

毎日しっかりとメイクを落としているつもりでも、唇周りの細かい隙間に汚れが残っている場合があります。メイク製品は油分でできているので、残っていることで毛穴詰まりの原因になります。メイク製品の洗い残しは、唇周りのニキビを発生させる原因になってしまうのです。

唇にニキビができる8つの原因を知ることができましたね。じつは、唇ニキビに間違えやすい「唇の病気」が存在します。次は、唇にできるニキビとヘルペスの違いについて解説していきます。

2.唇にできるニキビとヘルペスの違い

唇にできるニキビとヘルペスの違いを見分けるには、以下の3つのポイントを抑えておくことです。

  1. ヘルペスが発生する要因
  2. ヘルペスの痛み方
  3. ヘルペスができる場所

唇にできるニキビと口唇ヘルペスは、発生する要因・痛み方・できる場所、がそれぞれ異なります。詳しく解説していくので、違いを知っていきましょう。

2-1.ヘルペスが発生する要因

唇にできるニキビと口唇ヘルペスは、発生する要因が異なります。ニキビは、何かの原因で毛穴が詰まり、毛穴内の雑菌が繁殖することで引き起こります。

一方で口唇ヘルペスは、毛穴の詰まりが根本原因ではありません。口唇ヘルペスができる理由は「感染」。何らかがきっかけで菌に感染してしまうことで引き起こります。

口唇ヘルペスは「感染症」

口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」に感染することでかかる病気です。口唇ヘルペスは、唇や口周りに小さな「水ぶくれ」ができるのが特徴。

ほとんどの場合、1週間以内で良くなることが多いです。また、口唇ヘルペスは感染症なので、他人にうつしてしまう可能性があります。症状が出ている間は、食事や飲み物を他人とシェアするのは避けましょう。

2-2.ヘルペスの痛み方

唇にできるニキビと口唇ヘルペスは、痛み方も異なります。ニキビは、赤く晴れてくると痛みや痒みが生じます。ズキズキする痛みを感じたり、痒くなったりします。

一方で口唇ヘルペスになってしまった場合は、痛みはやや軽めです。少しの痒みや違和感が出るくらいの症状の人もいます。小さなしこりのような違和感を感じた後に水膨れになって、その後少しずつ落ち着いていくのが口唇ヘルペスの症状です。

また、口唇ヘルペスは完治することがないとされています。症状は出ないものの、体調不良や疲労などで免疫低下が怒ると、繰り返しできてしまいます。頻繁にできる人もいれば、数年に1回くらいしかできない人もいます。

口唇ヘルペスは唇ニキビよりも痛みが軽いのが特徴。しかし、痛みや症状のでかたには個人差があります。強い痛みを感じた場合は専門医に相談をするようにしましょう。

2-3.ヘルペスができる場所

唇にできるニキビと口唇ヘルペスは、できる場所が異なります。ニキビは、毛穴が詰まって内部が炎症することが原因で引き起こります。つまり、毛穴のない部分にニキビはできないのです。

毛穴がない唇部分に吹き出物ができた場合は、口唇ヘルペスを疑って治療をするようにしましょう。また、普段口周りの肌トラブルがほとんどない人は、感染症による口唇ヘルペスにかかった可能性が高いです。

反対に、脂性肌や口周りにニキビができやすい人は、吹き出物ができても「唇ニキビ」である可能性が高くなります。

次の章では、唇ニキビの予防方法をご紹介していきます。

3.唇ニキビの予防方法

普段の生活から意識できる「唇ニキビの予防方法」は6つあります。

  1. 暴飲暴食をしない
  2. ストレスを溜めない
  3. 洗顔・クレンジングは優しく丁寧に
  4. 正しいスキンケアを行う
  5. ムダ毛処理は肌に優しい方法で
  6. 唇にできたニキビを潰さない

食生活を改めたりストレスを溜めないような生活をしたりすることで、唇ニキビは予防できます。唇ニキビの6つの予防方法を詳しく説明するので、普段の生活に取り入れてみてください。

3-1.暴飲暴食をしない

唇ニキビを予防するためには、暴飲暴食をしないようにしましょう。唇にできるニキビは、胃腸の不調と密に関係があります。暴飲暴食をして腸に負担をかけてしまうと、唇付近にニキビができやすくなってしまうのです。

食事は1日数回に分けて規則正しくとるようにするのが理想。また、栄養バランスを考えたメニューにすることが大切です。栄養バランスの良い食生活を送ることで、唇ニキビを予防することができます。

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3-2.ストレスを溜めない

唇ニキビを予防するために、ストレスを溜めないようにしてみてください。ストレスは、知らず知らずのうちに溜まってしまうものです。夢中になれる趣味を持ち、自分だけでゆっくり過ごせる時間を作るのがおすすめ。友達や家族と話す時間を多くとることも、ストレスを溜めない方法です。

1日の疲れはその日のうちにとって、心からリラックスできる時間を持つようにしましょう。ストレスを上手に発散する方法を知っておくことが、唇ニキビの予防に繋がります。

3-3.洗顔・クレンジングは優しく丁寧に

洗顔・クレンジングを優しく丁寧に行うことは、唇ニキビを予防するために効果的です。ニキビは、毛穴の詰まりや汚れが溜まってしまうことで引き起こります。メイク残しや毛穴の汚れをしっかりと洗い流しておくことで、毛穴詰まりを防ぐことができます。

理想の洗顔回数は、朝晩の1日2回。メイクの濃さに合わせた洗浄力のクレンジングアイテムを選ぶことがポイントです。唇ニキビを予防するために、洗顔・クレンジングは優しく丁寧に行うようにしてみてください。

泡で洗うのもおすすめ

ニキビ予防のためには、泡で丁寧に洗える洗顔料を使うようにしましょう。泡を使った洗顔は、肌への直接的な摩擦を軽減させる効果が期待できます。また、泡で洗うことで汚れや毛穴の皮脂が浮きやすくなるのもメリットです。

肌に負担をかけずにしっかりと汚れを落とすことができます。唇ニキビが気になる方は、洗顔料のなかでも泡が立つような洗顔フォームを使うのがぴったり。きめ細かい泡が立つため、洗い心地も良いです。

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3-4.正しいスキンケアを行う

唇ニキビの予防のために、正しいスキンケアを行いましょう。ニキビは、乾燥が原因でもできてしまいます。唇周りの肌はとてもデリケート。

よく動く部位ということもあり、水分不足になりやすいパーツです。毎日の洗顔後には、肌に合わせたスキンケア製品を使って保湿をするようにしてください。

保湿効果のある美容液を使うのがおすすめ。肌自体の水分保持力を高めてくれる可能性があります。美容液を使った後は、乳液や保湿クリームなどで肌の潤いを守るようにしましょう。

しっかりと保湿ケアを行うことが、唇ニキビの予防に繋がるのです。

保湿ケアの注意点

唇自体が乾燥したとき、ほとんどの方はリップクリームを塗ると思います。リップクリームは、保湿力を高めるために油分が含まれている場合が多いアイテム。そのため、唇以外の部分に付いてしまうとニキビを作る原因になることがあります。

特に、脂性肌の方や口周りにニキビができやすい方は注意が必要。リップクリームを塗るときは、唇のみに付着させるように使ってください。また、はみ出してしまった場合はそのままにせず、ティッシュなどでオフしておくと良いでしょう。

3-5.ムダ毛処理は肌に優しい方法で

唇ニキビを予防するために、ムダ毛処理は肌に優しい方法でするようにしましょう。カミソリを使って口周りのムダ毛を処理する場合は、清潔で切れ味の良いものを使うことが鉄則です。

不要な摩擦を起こさないよう、使い方に気をつけることも重要。カミソリで肌を何度も触らないように、1度で剃り切るようにしてみてください。撫でるように優しくカミソリを当てて、深剃りをしないようにすることもおすすめです。

皮膚へのダメージが軽減するような方法でムダ毛処理をするようにしましょう。カミソリを使ったら、肌を落ち着かせるために化粧水や乳液などでスキンケアをしてあげてくださいね。

3-6.唇にできたニキビを潰さない

もしも唇にニキビを見つけても、決して潰さないようにしましょう。

唇にニキビを見つけてしまうと、早く治したいがために潰そうとしてしまいます。唇周りのニキビを潰してしまうと、細菌が入りやすく症状を悪化させてしまいます。それだけではなく、雑菌が広がりさらなる唇ニキビを作ってしまう可能性もあるのです。

また、唇のニキビは「ニキビ跡」になりやすいのも注意点。ニキビ跡に残ってしまうと、治療をしても完全に消すことが難しくなってしまいます。唇にできたニキビを潰さないようにすることが、早期に完治をさせるための手段なのです。

次は、唇ニキビの治し方について解説していきます。

4.唇ニキビの治し方

唇にニキビができてしまったら、内服薬・外用薬・漢方薬といった3つの薬を使って治す方法があります。体質やニキビの症状に合わせて取り入れるのがおすすめです。唇ニキビ治療に使われる3つの薬をひとつずつ説明していきます。

4-1.内服薬

唇にニキビができてしまったら、内服薬使って治していきましょう。と繋がっていると言われる口周りのニキビは、内服薬を使った治療が最も有効です。初期段階のニキビにも、炎症が起きているニキビにも効果を感じやすいです。

ニキビの内服薬には、炎症を沈めたり抗菌効果があるものを使用します。内服薬を使って身体の内側からアプローチすることで、皮膚の症状を早期に改善することができます。

ニキビ治療は、症状によって使用する内服薬が異なります。自分の唇ニキビの症状を知るためにも、皮膚科の先生に相談をしてみるのが良いでしょう。

4-2.外用薬

唇にニキビができてしまったら、外用薬を使って治療することができます。外用薬は、炎症を起こしている唇ニキビを早期に改善させる効果が期待できます。

しかし、外服薬を使う際にはデメリットもあります。唇は、体内に薬が入ってしまいやすい場所。粘膜もあるため、塗った部位から薬が広がってしまうなどの可能性があります。デリケートな部位に使うということをしっかりと理解し、正しい方法で使用するようにしてください。

外服薬を使うときのポイントとしては、口周りだけに塗るようにする・綿棒やスパチュラを使って塗るようにするなどです。また、万が一唇や粘膜などのニキビがない場所についてしまったら、すぐに拭き取るようにしましょう。

唇ニキビの治療に外用薬を使用する場合は、注意点に気をつけて取り入れてみてくださいね。

4-3.漢方薬

唇にニキビができてしまったら、漢方薬を使って治療をすることができます。漢方薬は、薬と比較しても穏やかに作用することが多く、副作用などの心配が少ないのがメリットです。薬が苦手な方でも、安心して始めやすい治療法です。漢方薬は、飲み続けることで体質改善ができるため、唇ニキビを繰り返したくない方にぴったり。

しかし、体質に合わせて取り入れる薬を見分ける必要があるので、専門医や漢方のプロに相談をするようにしましょう。

5.まとめ

唇ニキビは、一度できてしまうと悪化したり跡に残りやすかったりします。今からできる唇ニキビの予防方法を実践して、健康的な肌をキープしましょう。さっそく今日から、ニキビ対策をはじめてみてくださいね。