今回記事でご紹介するのは中国のファンタジーBL小説とそれを原作にしたアニメ、『魔道祖師』(墨香銅臭)のあらすじです。
作者の墨香銅臭(ぼっこうどうしゅう/モーシャントンシウ)は2014年に中国のウェブ小説サイト「晋江文学城」(ジンジャンウェンシュエチェン)にて本作の連載スタート。
中国で爆発的な人気を博し、のちに日本にアニメが輸入されました。
他にラジオドラマ・実写ドラマ・ゲームなど、メディアミックスを手広くおこなっています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『魔道祖師』のあらすじ
妖魔や邪鬼が人々を襲って喰らい、それを退治する特殊職・修士が活躍する世界。
修士には様々な派閥があり、全てをまとめて「仙門百家」(せんもんひゃっか)と呼んでいます。
仙門百家の頂点に君臨するのが雲夢江氏(うんむジャンし)・姑蘇藍氏(こそランし)・蘭陵金氏(らんりょうジンし)・清河聶氏(せいがニエし)・岐山温氏(きざんのウェンし)で、この五大仙家が民の安寧と現世の秩序を守っていました。
しかし五大仙家の中でも強大な力を持った岐山温氏の専横が目立ち始め、民は暴政に苦しめられます。
雲夢江氏・姑蘇藍氏・蘭陵金氏・清河聶氏から成る連合軍は「射日の征戦」と呼ばれる戦いにおいて岐山温氏と激突、中でも勝利に貢献した江家の仙師・魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は鬼道の天才、「夷陵老祖」(いりょうろうそ)として不動の地位を築きます。
されど人の身に余る力は次第に周囲を巻き込んで災厄をもたらし、仙門百家は魏無羨の討伐に乗り出しました。
それから十三年後、莫玄羽(モー・シュエンユー)が自らの命と引き換えに禁術を施し、魏無羨を蘇らせます。
莫玄羽はある事情で実家を破門され、養子先の莫家で虐待を受けており、その恨みを晴らすべく伝説の存在を頼ったのです。
十三年ぶりに復活を遂げた魏無羨ですが、莫玄羽の体に魂が入った状態なので、見た目は全くの別人です。

魏無羨が莫家の息子を追いかけ屋敷に乗り込むと、姑蘇藍氏の子弟たちが集まっていました。
魏無羨と旧知の間柄の藍忘機(ラン・ワンジー)もいますが、見た目が違うため彼の正体に気付きません。
夜も更けた頃、莫家の息子とその母親が邪祟と呼ばれる化け物に変貌します。
魏無羨と藍忘機は共闘してこれを鎮め、莫玄羽の怨念が生んだ怪事件を解決に導きました。
莫家を後にした魏無羨と藍忘機は、ロバに乗り山道を行く途中、罠に引っかかって足止めを食らいます。
罠を仕掛けた若者は蘭陵金氏の金凌(ジン・リン)と名乗り、莫玄羽が金家宗主・金光善(ジン・グァンシャン)の隠し子で、厄介払いされた事実に言及します。
金光善は十三年前に江澄(ジャン・チョン)と手を組み、魏無羨を討った張本人でした。
魏無羨は金凌に「ロバを返してくれ」と頼みますが、金凌は首を縦に振らず暴言を浴びせてきて……。