高PERだからといって、それだけで見限ってはいけない。なぜなら、利益が急成長するような株であれば、それによりPERは一気に低下するからだ。

こうした業績が急成長している「隠れ低PER株」の探し方とおすすめの2銘柄を紹介しよう(株価や指標は2016年8月5日現在。来期予想はアナリスト予想の平均。PEGレシオは今期会社予想と来期アナリスト予想の1株利益から算出)

外国人投資家が重視する重要の指標、
「PEGレシオ」で割安度をチェックせよ!

「PER20倍と聞くとその株を割高と判断する人は多いが、成長率次第では、そうとは限らない」と岡三証券の小川佳紀さんは指摘する。

「株式投資で重要視されるのは、今後の成長性です。PERが20倍でも、PERを算出するための1株利益の成長率が1ケタ(たとえば2%)の場合と、2倍(200%)の場合では割安度がまったく違う」

 証券会社のサイトなどで、確認できる予想PERは、今期予想の1株利益から計算されている。今期予想で見たPERが20倍だとしても、来期に利益が2倍に伸びるなら、PERは半分の10倍まで下がる。

つまり、現在は高PERの株であっても、将来の利益次第では割高ではなくなるのだ。

「日本企業全体では、低成長が続く可能性が高く、高成長株は希少な存在です。また、成長率が高い銘柄は、高PERとなっていったん株価が下落しても、再び上昇するケースが多い」(小川さん)

 こうした今高PERでも成長性から見ると割安かどうかを確認できるのが、PEGレシオという指標だ。PEGレシオは「PER÷1株利益成長率」で算出する。PER20倍で1株利益の成長率が2%ならPEGレシオは10倍、成長率が20%なら1倍となる。つまり、成長率が高いほど、低くなる。

日本ではなじみが薄い指標だが、米国を中心に海外投資家は、この指標を重視している。

「日本株の売買の6~7割を占める外国人投資家の影響は非常に大きい。実際に年初から日本株全体では下落が続く中、高PERでもPEGレシオが低い株は上昇が続いています」(小川さん)

 PEGレシオは、2倍を超えると割高と言われており1.5倍以下をメドにするのがいいだろう。

 「その中でも、今は円高や資源安の影響を受けにくい内需の他社にはない強みを持つ株がオススメです」(小川さん)

 これから紹介する2銘柄は今期会社予想で計算したPERで見ると割高に見えるが、来期アナリスト予想平均ではPERが10倍台になる高成長割安株。1つがタカラトミー(7867)

 もう1つがブイ・テクノロジー(7717)だ。

 2銘柄の業績とPERを見比べてみてほしい。