GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1

■GACKT/New Album『LAST MOON』インタビュー(1/4)

「精神的にも体力的にも、これが最期のVISUALIVEになる」

4月27日(水)、GACKTの7年ぶりとなるオリジナルアルバム『LAST MOON』がリリースされる。『雪月花 -The end of silence-/斬~ZAN~』(2009年)以降のシングル群から選ばれた楽曲を収めつつ、最新シングル「ARROW」を含め、このアルバムの主眼は、GACKT独自の表現方法で構築されたステージ作品“VISUALIVE”最新版『GACKT WORLD TOUR 2016 LAST VISUALIVE 最期ノ月‐LAST MOON‐』(3月19日から全国ツアー中)で“表演”することに置かれている。
2015年夏に実施した『ARROW』取材時にGACKTは、ツアーに向けて、和歌とロックを融合させた楽曲をつくっている、と明かしていた。その際、PCで我々に聴かせてくれた美しい音の断片は、「花も散ゆ」というジパングロック最新版として今作で結実している。本インタビューは、アルバム未完成の段階で、『GACKT WORLD TOUR 2016 LAST VISUALIVE 最期ノ月-LAST MOON-』スタートを目前に控えた多忙な状況下で行われた。“LAST(最期)”を掲げた意味を改めて問いつつ、本作でさらに深まったGACKTワールドの誕生の裏側を尋ねた。
(取材・文/大前多恵)

和歌を使うことによって自然に変拍子を使えるのがボクには好都合だった。

――まず、最近の体調はいかがですか?

GACKT:2週間ぐらい前(※取材は2月下旬)に体調を崩してしまって、その時はちょっとキツかった。
今はなんとか復活している。ツアーに向けて体もつくりつつ、いろんなことにずっと追われていて、精神的にだいぶ苦しんでる(笑)。

GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1

GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1

――(笑)。最新シングル『ARROW』インタビュー取材時には、和歌を盛り込んで現代語とミックスした変拍子の楽曲をつくっておられる、とのことでした。その完成形がM2「花も散ゆ」なのでしょうか?

GACKT:そうだね。実際は他にもあるんだけど、コンサートでやるには多すぎるから、曲を削っているところ。


――基本的なことの確認ですが、収録が予定されている新曲群は、『LAST VISUALIVE』を想定してつくれた曲たちなんですよね?

GACKT:そうだね。ライブの想定曲としてつくっているから、「この曲はライブでは演らない」というような曲は、(つくりはしても)もう、表に出さないかもしれない。全部の曲を演ると4時間ぐらいになってしまう。3時間では終わらせたい。目標としては「2時間半ぐらいで」と思ったんだけど、現状、どう考えても「これ、2時間半で終わらない……」っていう感じ(笑)。

GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1

――でも、3時間ぐらいは観たい気もしますが……。


GACKT:いや、やってるほうはしんどいよ(笑)。

――勝手なことを言ってすみません(笑)。聴いていて、変拍子がごく自然に曲に取り込まれているのが印象的でした。

GACKT:基本的には、4分の4拍子が(ロックの拍子の)メインなんだよ。イギリス系の人もアメリカの人も、ロックにおける8分の6拍子とか、4分の7、4分の5とかいうテンポ感、リズムを好まない。なぜなら、彼らはそういう奇数拍が苦手だからさ。
でも、ボクはもともとクラシック音楽が主体だというのもあるし、プログレなところもあるから、そういう拍数がすごく好きなんだよ。だけど、「意味の分からない拍数をつくりたい」とは全く思ってない。やっぱり、「メロディックなものをつくる」ということが自分の主体の中にある。ところが、最近よく分かったのは、現代詞の場合は4分の4、もしくは8分の8のテンポ感で表現したほうが気持ちいいのに対して、和歌の場合は、4分の7、4分の5というアプローチにしたほうが面白かったりする、ということ。それはたぶん、言葉の並びなんだろうな。

GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1

――<花かほる君ならで 誰にか見せむ照る月ぞ>は、5、5、7、5という音数で、美しくリズムと重なっています。


GACKT:そう。だだ読むだけでも面白いし、すごく綺麗だよ。和歌を使うことによって自然に変拍子を使えるのがボクには好都合だったし、その後に現代詞を混ぜることによって、上手にトランジット(移行)できるのも、「ああ、これは面白いな」と思うようになって。入れたいと思ってやっているというよりは、自然にやってるんだけど。

――和歌とロックの融合は、GACKTさんの発明品ですね。海外のアーティストにはもちろん難しいでしょうし。


GACKT:和歌を使うって、なかなかできないよ。ボクはこういう文学が好きだし、この時代のものも好きだから。とはいえ、いわゆる和歌の美学みたいなものがみんなに自然に入ってくれればいいな、と思ってるぐらいで、あまり押し付けたくもないんだけど。

GACKT アルバム『LAST MOON』を最期の“VISUALIVE”ツアーで表演/インタビュー1
LAST MOON【CD+DVD】

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LAST MOON【CD】

――若い人たちに向けた啓蒙性もあるように思いますが、そうでもないのですか?

GACKT:塾じゃないからさ、そういうのはない。ごく自然に感じ取ってもらえればいい。和歌だけで全部つくっちゃうと今の人たちには意味が分からなくなってしまう。和歌を入れつつも、「この和歌、どんな意味なのかな?」と考えてもらえるぐらいのレベルに収めてる。

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
New Album
『LAST MOON』
2016.04.27リリース

【プレミアムエディション】
GLCD-00014 / ¥16,800(税抜)
【CD+DVD】
GLCD-00015 / ¥4,800(税抜)
【CD only】
GLCD-00016 / ¥3,800(税抜)

[収録曲]
1. ARROW
2. 花も散ゆ
3. RETURNER ~闇の終焉~
4. RIDE OR DIE
5. 暁月夜 -DAY BREAKERS-
6. 斬 ~ZAN~
7. 傀儡が如く
8. ONE MORE KISS
9. 舞哈BABY!! -WooHa-
10. 恋のFRIDAY!!!
11. キミだけのボクでいるから
12. P.S. I LOVE U
13. 雪月花 -The end of silence-
<DVD>
1. ARROW
2. RETURNER ~闇の終焉~
3. 暁月夜 -DAY BREAKERS-
4. P.S. I LOVE U
5. 雪月花 -The end of silence-
※新曲「傀儡が如く」MUSIC CLIPを視聴できるシリアルコード付き

≪ツアー情報≫
【GACKT WORLD TOUR 2016 LAST VISUALIVE supported by Nestle】
2016年4月29日(金・祝)北海道・ニトリ文化ホール
2016年4月30日(土)北海道・ニトリ文化ホール
2016年5月3日(火・祝)大阪・大阪国際会議場 グランキューブ大阪
2016年5月4日(水・祝)大阪・大阪国際会議場 グランキューブ大阪
2016年5月7日(土)栃木・栃木県総合文化センター メインホール
2016年5月8日(日)栃木・栃木県総合文化センター メインホール
2016年5月10日(火)千葉・森のホール21 大ホール
2016年5月12日(木)東京・中野サンプラザホール
2016年5月14日(土)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
2016年5月15日(日)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
2016年5月21日(土)愛媛・松山市民会館 大ホール
2016年5月22日(日)香川・サンポートホール高松 大ホール
2016年5月27日(金)東京・東京国際フォーラム ホールA
2016年5月28日(土)東京・東京国際フォーラム ホールA
2016年6月3日(金)岩手・岩手県民会館 大ホール
2016年6月4日(土)宮城・仙台サンプラザホール
2016年6月7日(火)埼玉・大宮ソニックシティ
2016年6月10日(金)広島・上野学園ホール
2016年6月12日(日)山口・山口市民会館 大ホール
2016年6月15日(水)熊本・熊本市民会館崇城大学ホール
2016年6月17日(金)宮崎・宮崎市民文化ホール 大ホール
2016年6月19日(日)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2016年6月25日(土)沖縄・沖縄市民会館 大ホール
2016年6月26日(日)沖縄・沖縄市民会館 大ホール
2016年7月2日(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
2016年7月3日(日)埼玉・さいたまスーパーアリーナ

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