ボーナスは全額貯金に回すべき? 使い道でわかる家計の良好度
画像はイメージ

ボーナス(賞与)が支給される時期。皆さんはいくらのボーナスを手にできただろうか。
平均的には給与の1~2カ月分が支給されているようだ。
このまとまった収入の使い道が、毎年話題になる。1位は毎年変わらず「貯金」(出典:第29回 Ponta消費意識調査 2018年6月)。万が一に備えて貯蓄しておきたいという人が多いようだ。
では、ボーナスからの貯金は、どのくらいの割合でできると良いのだろうか。


ボーナスをどの程度貯金に回したほうが良いのか?


ボーナスは、支給されることが確約されているものではない。だから、すでに使い道が決まっているという状況は少々危険であり、もし、支給されなかった場合、非常に困ってしまうことになる。


そう考えると、ボーナスは全額に近いくらい貯金に回しても構わないものだと言える。しかし、お金が入ると使いたいと思うのが人の心。一部は好きなものを購入しても良いだろうし、旅行に使っても構わない。金額にもよるが、できれば7割以上、ローンのボーナス払いなどを組み込んでいる場合でも5割以上は貯蓄したいものだ。

全体的には上記のように伝えたいが、20~30代の若い人は、ボーナスをチャンスに自己投資にお金をかけたいだろうし、子育て中の人は子どもにお金をかける必要があるかもしれない。そういう場合は、5割を目標にすることでも良いだろう。
ただ、子育ても終わり、夫婦で老後を迎える準備期間という場合は、ボーナスからは7割以上をしっかり貯蓄し、老後に備えたい。

貯蓄額がしっかり確保でき、必要な支出額も除いた残りの金額は、遊びに使って構わない。ボーナスの1~2割も遊びに回せるようであれば、万々歳ではないだろうか。


ボーナスは投資に回すべき?


ボーナスは全額貯金に回すべき? 使い道でわかる家計の良好度

よく「ボーナスが出たら、投資をするべきでしょうか」と聞かれることがある。私はボーナスが出たから投資、という考えは少し違うと思っている。

投資を始めるのなら、毎月コツコツと積み立てていくやり方が良い。つまり、投資をするには、毎月の家計がきちんとしていなければならない。
「きちんと」とは、収入の中で支出が収まっているということだ。その支出に、投資可能額も含まれていることが必要だ。もともと家計がしっかりしていて、投資にも慣れているような人が、ボーナス時期にあえてまとまった金額を投資するというのなら良いだろう。だがそういう人は多くないと思うので、ボーナスは投資を始めるために家計を整えるものとして使ってほしい。

ローンや分割払いの支払いで家計が赤字になるのであればその解消をするとか、赤字の原因を取り除くのだ。ボーナスを投資に回そう、というよりは、投資をしっかりするための家計作りに力を入れてほしい。



ボーナスは家計のバロメーター


ボーナスは全額貯金に回すべき? 使い道でわかる家計の良好度

ボーナスが出ると、何に使おうかとか、いくら貯金しようかとか、そういうことばかりに気が取られるが、実はボーナスの使い道や減り方で、簡単な家計診断ができる。

例えば、「使い道」からは“将来設計度”、「減り具合」からは家計の“体力”や“良好度”がわかるのだ。

もし、近い将来に子どもの進学や、自動車購入でお金が必要なことがわかっていれば、ボーナスは使うより貯めておこうと思うだろう。将来設計ができている証拠だ。お金が必要なことがあるのに、お金を残せないのは、将来設計ができていないということだ。

その将来設計ができないことにもつながるが、毎月赤字で、その補填にボーナスを使っているとか、ローンやクレジットカードの支払いですぐにボーナスがなくなってしまうなど減り具合が早い場合は、家計の体力がないと言えるし、家計は良好ではない。
このような状況で、ボーナスを貯めるということは、難しいだろう。

ボーナスで貯蓄、投資云々を語る前に、まずは毎月の家計状況を整えてほしい。それができないと、何も始まらない。
(横山光昭)