すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
すとぷりのメンバー(左からさとみ、るぅと、ころん、莉犬、ななもり。、ジェル)

2018年末の両国国技館公演は10秒でチケットソールドアウト、今年3月に発売された1stミニアルバムはオリコンウィークリーランキング2位を獲得した。そして今回、2019年4月30と5月1日に幕張メッセイベントホールで2DAYSでの開催。


目を見張るスピードで躍進を続けるのは、インターネット発のエンタメユニット「すとぷり」。彼らは楽曲投稿や生配信、ライブの開催にいたるまでをセルフプロデュースで行っており、媒体に登場するようになったのも最近のこと。メンバーのルーツは様々だ。動画サイトの歌い手、ツイキャスの配信者、ゲーム実況者などが集まり、2016年に結成。その後メンバーの入れ替わりを経て、現在はさとみ、るぅと、ころん、莉犬、ジェル、そしてユニット発起人であるななもり。の6人で活動している。
もともと個々のメンバーが一定以上の人気を持っていた部分はありながら、ユニットとしても短期間でリスナー(=ファン)を激増させた。
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

中高生層から絶大な支持を集めているすとぷり。オンラインの活動で知名度を上げてきた彼らは、普段は顔出しをせず、キャラクターアイコンを用いる。一体どんなライブを繰り広げ、リスナーはどのように受け止めるのか。楽しみな気持ちを胸に、令和最初の日に行われた単独ライブ「すとろべりーめもりーvol.7」2日目の公演へ赴いた。

ポップでカラフルな城が印象的な、今回のステージセット。
オープニングムービーが終わると、ピンクのブレザーとグレーのスラックスに身を包んだ6人が登場した。オンラインのキャラクターイメージのまま、次元を超えて現れた「いちごの王子様」たちの姿に、会場からは割れんばかりの黄色い歓声が湧き起こる。生バンドを携え、1stミニアルバム「すとろべりーすたーと」収録の「パレットダンス」で、ステージの幕を開けた。
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この日はユニット持ち前の“プリンス”な世界観で会場を包みながらも、メンバー1人ひとりが持つ個性を堪能できる構成だった。それを特に感じたのが、それぞれ異なる衣装に着替えてのソロパートだ。
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トップバッターのさとみはHoneyWorksのオリジナル曲であり、アップテンポなナンバー「アイのシナリオ」を、MVを彷彿とさせる制服風スタイルで力強く歌い上げる。
黒くシックな衣装に身を包んだジェルが「Sコート」を歌い、会場を艶やかな空気で支配すると、続くるぅとは「この想いを歌に」を披露。ロングカーディガンの裾を揺らしながら、透明感のある少年ボイスで会場を癒した。そして、1日目の公演ではころんが歌っていた「ヒバナ」を、今日はななもり。が担当。こちらも全身を黒で統一したスタイルで、まっすぐ向けた人差し指が会場を撃ち抜いた。「ロケットサイダー」を歌うころんは白パーカーにスニーカーとカジュアルな服装。
歌唱はもちろん、片足を上げるポーズや、体を傾ける仕草でも、リスナーの心を奪っていく。最後は頭に犬耳、首元に赤いリボンを着けた莉犬がハイトーンボイスを全身から響かせ、「小さな恋のうた」を歌いきった。
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すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

メンバーそれぞれがしっかりと個性を持っているからこそ、コラボ曲では都度新しい一面が見えてくるのも魅力的だ。2人パートではアルバムから「すとろべりーごーらんどっ」(莉犬×るぅと)「でこぼこげーむぱーてぃー」(さとみ×ころん)「非リアドリーム妄想中!」(ジェル×ななもり。)を順に展開。いちメンバーであるるぅとが作詞曲を務めた、渾身のナンバーたちだ。

すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

ちなみにすとぷりの6人は、水色・黄色・赤色担当のころん・るぅと・莉犬が「信号機組」、年長者であり低音寄りのさとみ・ジェル・ななもり。が「大人組」と呼ばれている。今回は各組分かれての歌唱もあり、ソロ→デュエット→トリオと、本公演が初めての参戦者にとってもわかりやすく、また充分に楽しめる内容だった。
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

再度衣装チェンジを経て、全員によるパフォーマンスへ。白を基調に各カラーの装飾をあしらった王子様スタイルに、会場の熱気は今日の最高気温を更新する。6人は人気曲「AquaKiss」で息の合ったダンスを展開。
さらには「ENDLESS FLIGHT」「はりーはりーらぶ」を立て続けに披露し、前へとまっすぐに続く彼らの道を、歌で示して見せてくれた。
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
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本編で頼もしいパフォーマンスを繰り広げてきた彼らだったが、アンコールのMCでは等身大の心境を語り、胸に秘めた柔らかい部分を見せる一幕も。6人が涙ながらに行った感情と感謝の吐露は、実に1時間近くに渡った。

■ジェル
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

自分がずっと辛い状況だったからこそ辛い人の気持ちが分かるから、一人でも多くの人に楽しんでもらいたい。救いになりたい、支えになりたいと思ってました。

夢を目指すってすごくキラキラしてるように見えるけれど、実際はいろんなことがあって、下を向いてしまうときもある。やっていることに「意味があるのかな」と思うこともある。

でも横を見たら「応援してるよ」「楽しませてもらってるよ」「幸せだよ」って、意味があることだと伝えてくれる人がたくさんいる。そういうことを声に出して、支えてくれる人がいるから、下を向いたとしてもまた前を向いて走っていけるのかなと毎回思います。

幸せなことって、たぶん幸せだけじゃなくて辛いこともいっぱいあって、その上にもっと大きな幸せがあると思うから、みんなと一緒にその大きな幸せを頑張ってつかみとりたい。もっともっと素敵なステージでもっともっと素敵な光景を見せるために俺も頑張っていくから。これからも声に出して、形にして応援してくれたら、いくらでも頑張れると思います。本当に誰よりも幸せなリスナーにします。いつもありがとう。

■莉犬
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

俺たちはみんなが「好き」と胸を張って言い続けられるようなグループでありたいと、常に思い続けています。みんなに応援してもらって、胸を張れないような活動はしません。これからも君たちの推しでい続ける限り、ずっとずっと君の誇りでいたいと思っています。

もしかしたらこれから先、いろんなことをする中で、後ろ指を差されたり笑われたりすることもあるかもしれませんが、後ろ指を差されたなら俺たちが前に向かって指を差して走り続けて、笑われたなら、それを全部俺たちが幸せな笑いに変えられるくらい、誰よりも誰よりもずっと走り続けます。

そうして走り続けられるのは、応援してくれる君のおかげです。もし、人生をやり直せるとしたら産まれた瞬間からやり直してしまいたいと思う理不尽だらけの人生でしたが、それでも君に出会えたから、我慢して、何度でも君に会いたいと思える人生です。

出会ってくれて本当にありがとう。産まれてくれて本当にありがとう。誰かに憎まれても悔しいことがあっても、必ず君を幸せにするために俺たちはいつまでも走り続けます。俺たちが頑張ってる証は君の存在そのものだから、これからも俺たちについてきてくれると嬉しいです。君に好きでいてもらえることが俺の誇りです。ありがとう。

■ころん
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

悔しいとか楽しいとかいろんな思いがあって、その全てが詰まって、こんな素晴らしい景色を見られて、本当に本当に嬉しいです。どう伝えたらいいかわからないくらい、感謝してます。

もともと僕は本当に何もない、才能もないただの一般人でさ。ツイキャスやっても1人とか2人とか集められなくて、ずっとパソコンいじってただけの奴。親も「あんたいつまでパソコンやってるの!お母さん心配よ!」って(笑)。でも、こういうみんなの笑顔が見られる活動って素晴らしいなって思う時期があって。親も説得して「絶対に良い景色見せるから、絶対に頑張るから、僕の好きなようにさせてください」って言ったら、全力で背中を押してくれて。メンバーも背中を押してくれた。そうしたらこんなにも僕は成長して、僕たちのことを支えてくれる人がこんなにもいっぱいできました。

一日目の写真を見て、「僕たちこんなに頑張ったんだな。本当にやってよかったな」と思ったし、今日この景色を見て、本当に幸せだなと思う。これからは、もっともっとすごいことが起こります。どんなことがあっても絶対に負けないし、絶対にみんなを幸せにできる自信があるから、ついて来てほしい。これからも僕たちのこと、応援よろしくお願いします。ありがとう。

■るぅと
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

こうして今僕たちがライブをして、感想を喋っていることも、今日が、昨日があることも、今ここにいてくれているみんながいたおかげです。もうありがとうとかそういう言葉じゃ伝えきれない。正直不安な気持ちも大きくて、告知したときから「ちゃんとライブできるのかな、お客さん来てくれるかな」って思ってた。

今日をこんな風に迎えられて、今日がこんなに素敵な一日になって、本当によかったです。今こんな風に活動ができて、ライブができて、CDを出せて、いろんなことに挑戦できて、僕らがみんなに笑顔を届け続けられているのは、今応援してくれているみんながいるからです。本当に、今日という一日を僕たちにくれて、ありがとうございます。

これから先、すとぷりは絶対に止まることはありません。もちろん全員が全部うまくできるわけじゃなくて、1人ひとりすごいところがあって、僕なんかはポンコツなところが多いんですけど、全員集まると本当にすごいんです。絶対後悔させないから、これからもついてきてください。僕たちに幸せをくれて、本当にありがとうございました。

■さとみ
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

昔、まだ大きい会場でできなかった時に、ころんがMCで「いつか武道館行こうぜ」って言ってたんだよね。当時のみんなは、全然実感もなかった。本当にこんな、たくさんの人の前でライブができるとも思ってなかった。でも今こうしてたくさんの人が応援してくれて、会いにきてくれて。「俺たちやっててよかったね」って、昨日はころんと話してたんです。

1人がどれだけ頑張っても叶わないことってたくさんある。でも今は「頑張ろう」って言ったら「頑張ろう」って言ってくれるメンバーが横にいて。「もう1人じゃないんだ」って。本当に俺は、このメンバー全員に会えて心の底から嬉しいです。誰推しとか関係ないよ、今日俺たちのことが好きで、こうして会いにきてくれて声を届けてくれて本当にありがとう。

俺は平成に生まれたから平成の思い出しかないんだけど、その中で1番だったことはみんなに会えたことです。時には俺たちが何をしたいのか見えなくて、不安になることもあると思う。でもこうしてついて来てくれていることが本当に嬉しいです。その結果をこうして、形としてしっかりみんなに返していきたいと思ってるから、俺たち6人を、今後ともよろしくお願いします。

■ななもり。
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

今年の3月に初めて1stミニアルバムを出して、その時俺たち、初めてインタビューを受けました。思い出に残ってるのが、「1人ひとりの良い所を言ってください」って言われたことなんです。

ジェルくんはね、「リスナーのみんなやメンバーを幸せにすることが目標」って言ってくれるすっごく心の優しい子。

莉犬くんはみんながどうやったら楽しんでくれるか、少しでも笑ってくれるかをずっと考えてて、「今こんなこと考えてるんだよ」って俺たちにも共有してくれる魅力的な人。

ころちゃんはまっすぐで優しいの。遅刻もするし、お会計の時も「俺出しますよ」って言って千円しか出さなくて足りてなかったりするんだけど(笑)、でも本当にまっすぐで、ころちゃんのことすっごい応援したいなって思うんだよね。

るぅとくんは本当に真面目で、みんなのために何かすることとか、俺たちメンバーのために何か努力することを努力と思わないぐらい、まっすぐに走ってくれる所があって。

さとみくんは、それが正しいこと、みんなが喜んでくれることだって決めたらちゃんとやり抜くような、本当に魅力的な人で。最初はみんなのこと何も知らなかったけど、いろんなことを乗り越えてく中で、お互いの良い所に気づけました。

それは、こんなに多くのみんなが俺たちのことを見てくれて、「もっともっと頑張ろう」って思わせてくれたからです。これからもみんなと一緒に走り抜けたい。本当にみんなのこと幸せにするので、これからもついて来てください!
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」

時折メンバーが言葉に詰まると、同じく涙を流すリスナーたちから「頑張れ」「大好き」「ありがとう」といった声が上がり、温かい気持ちがホールを満たしていた。幕張メッセで、こんなにもたくさんの涙が流れた公演を、初めて見た。すとぷりはライブの度にこのパートを設けているという。キラキラした部分だけを見せるのではなく、こうしてしっかりと時間を取り、胸中を本人の言葉に乗せて伝えること。ライブでも、いや、ライブだからこそこのコミュニケーションを大切にしているのかもしれない。そこに“ステージ”や“客席”といった枠は、もはやないように思えた。

彼らの強みは、良い意味で、未完成であることだ。「リスナーを楽しませたい」という気持ちが続く限り、彼らはこれから何にでもなれるし、どんなことだってできる。その可能性も含めて、今最も目が離せないユニットだろう。
すとぷり、幕張の1万4000人へ向けて語った感謝の言葉「君の推しでいる限り、ずっと君の誇りでいたい」
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取材・文/ヒガキユウカ(プレスラボ)

<セットリスト>
01.パレットダンス
02.ロメオ
03.アイのシナリオ(さとみ)
04.Sコート(ジェル)
05.この想いを歌に(るぅと)
06.ヒバナ(ななもり。)
07.ロケットサイダー(ころん)
08.小さな恋のうた(莉犬)
09.すとろべりーごーらんどっ(莉犬×るぅと)
10.でこぼこげーむぱーてぃー(さとみ×ころん)
11.非リアドリーム妄想中!(ジェル×ななもり。)
12.おじゃま虫(ころん、るぅと、莉犬)
13.イノコリ先生(さとみ、ジェル、ななもり。)
14.AquaKiss
15.ENDLESS FLIGHT
16.はりーはりーらぶ
En-1.Flowering palettes
En-2.大好きになればいいんじゃない?