(Tomwang112/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延を受け、ヨーロッパ各国が事実上の鎖国に踏み切った現在。

Diorをはじめとする有名ブランドがマスクや消毒液の生産をしている中で、富裕層の「コロナ疎開」が問題となっています。



■フランスでもコロナ疎開

現地メディアの報道によると、主要都市が次々とロックダウンしている最中に一部の富裕層が荷物をもって田舎の街へ疎開しているとのこと。

富裕層の彼らは別荘を所持しており、パニックが起こるかもしれない場所から家族を守るため…と思いきや、疎開先では散歩、ピクニック、ジョギングなどやりたい放題。

自分が保菌者かもしれないという警戒心は微塵も持っておらず、地元の住民の怒りを買っていると明かしています。


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■島の封鎖は不可能

フランス・ヴァンデ県に属するノワールムティエ島がまさに富裕層の疎開先になっているそうで、この様な行為を長年現地に住む医者は「無責任で自己中心的」と批判。

市長に対し、島に入る為の橋を封鎖して欲しいと懇願しましたが、疎開は違法行為ではないので、どうしようも出来ないという答えが返ってきたと振り返っています。


■案の定感染者が増加…医療崩壊の懸念も

ノワールムティエ島の人口は1万人弱ですが、フランス政府がロックダウンを宣言した後は2万人程に増加。その後2週間で70人もの感染者が発見されたことから、都市部からの大量移動がウイルスをも拡散させたのではないかと言われています。

比較的高齢者が多く、都会のように潤沢な医療システムを完備しているわけでもない小さな島は、現在危機に瀕しています。このままでは医療崩壊が起こるリスクが高いのではないかと警告する医者も後を絶ちません。


■とにかく家にいよう

新型コロナの蔓延は、欧米の深刻な「貧富の差」をも浮き彫りにしたと言えるでしょう。フランスではこういった別荘が約340万軒存在しており、国民からは「富裕層だけに逃げ場があるのか」「逃げた先にウイルスを流入させるのか」といった不満が噴出しているようです。

日本でも「コロナが発生していないから」という理由で山陰地方への旅行をする者が後を絶たない、石川県知事が「是非観光を」と発言する…などの問題が取り上げられています。
私たちも、今一度この疫病についてしっかり考えるべきではないでしょうか。

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(文/fumumu編集部・AKO