二足歩行の人型ロボットアトラスがまた進化。アクロバティックな動きでロボットが越えられなかった壁を突破しつつある


 ヒトらしい二足歩行から軽やかなランニング華麗なパルクールと着々と進化するボストンダイナミクスのロボット「アトラス(Atlas)」がまたしてもネットユーザーの度肝を抜いている。

 すでに人間顔負けの身体能力を備えつつあるアトラスが一体何を?と思いきや、お次は体操競技風のアクロバットな動きをマスターしたらしい。


 逆立ちからの飛び込み前転や大ジャンプのほか、ひねりを加えたジャンプなどを演技のように滞りなくこなす姿は中の人を疑うレベル。

 その動きときたらもう、なんでこんなになめらかなんや!?って聞きたくなるほど見事なのだ。
[動画を見る]More Parkour Atlas

【中の人どこ?高精度なアクロバット動作】

 これは今月24日、ボストンダイナミクスが公開したアトラスの新しい映像だ。

 まさかの倒立から始まって
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 パルクールっぽい飛び込み前転や大ジャンプ!
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 ひねりながらのジャンプとか…
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 ぐらつきのない安定性や大胆な跳躍はもちろん、その衝撃をやわらげる動きもかなり自然だ。これを一連の演技としてやってのけるだけでもかなりの精度がうかがえる。

 人間の体操選手のような超絶技にはおよばないものの、もうロボットとは思えぬレベル。
この動作を実現するまでどれほどの失敗や工夫があったのだろう。

【ロボットの壁に挑戦。パフォーマンス成功率80%に】

 ボストンダイナミクスは、1992年にマサチューセッツ工科大学(MIT)から独立している。その後、一連の技術を駆使しロボットが越えられなかった壁を突破しつつある。
 
 信じがたいほど滑らかで安定したアトラスの動きは、以下のような流れで成り立っている。

 まず、抽象性が高いプログラミング言語で記述された各操作を最適化アルゴリズムが実際の動作に変換する。
次にアトラスのモデル予測制御機能が、ある動きから次の動きにスムーズに移れるような動作をたどる。

 そして最終的には、従来の試みよりはるかに高速なルーチンによってアトラスのパフォーマンス成功率は80%程度まで向上している。

【世界一ダイナミックなヒューマノイドロボット】

 ボストンダイナミクスが「世界で最もダイナミックなヒューマノイドロボット」と称するアトラスの体重は約80kg。身長およそ150cmで動作速度は秒速1.5mだ。

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 なお、こうした動きはカスタムモーター、バルブ、油圧パワーユニットで動く28個のジョイントにより実現している。

【アトラスの開発がロボット界のブレイクスルーに】

 近年のロボットは人間のように動く方法を少しずつ学んでいる。


 2018年に開催されたロボット工学の進歩に関するIEEEの国際学術会議では、人間および機械認知を研究する米フロリダの非営利機関IHMCが、動作時のアトラスの足をまっすぐにしたことが行き詰まりの打破になったという論文を発表した。

 その工夫が驚くほど人間によく似た歩行をするロボットの開発につながったのだ。

 てかその後もアトラスは棒でどつかれるとか、運んでる荷物を叩き落されるなどけっこうな試練を受けていたわけだが、今はすっかり成長してそんな切ない目にも遭ってなさそうだ。

【イメージを刷新する機敏で柔軟なロボットが主流に?】

 知っての通り、ボストンダイナミクスはアトラス以外にも多様なロボットを開発している。ロボット犬ともいわれる四足歩行型のスポットミニ(SpotMini)は1回の充電で90分駆動、飲料の缶を運んだりのお手伝いもできる。
 
 今までのロボットのイメージを次々と覆すボストンダイナミクスのロボット。
これから先の近い未来ではスローでぎくしゃくした動きではなく、機敏で柔軟に動けるロボットが主流になるのだろうか。

References:boingboing / inverseなど /written by D/ edited by parumo

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