薬物がらみの犯罪が多発し、複雑で危険な地形が多い米国では特に重宝されてしまう警察犬たち。大活躍もトラブルに巻き込まれる警察犬はあとを絶たず、時には任務に忠実なその性格ゆえ無理がたたって命を落とすケースがある。
このほど1頭の警察犬の悲しい死をアリゾナ州のメディア『kdminer.com』が伝えた。

アリゾナ州モハーヴェ郡のキングマン市で約1年前から“K-9(警察犬)”として活躍するも、このほどたった3歳半で死亡したベルジアンマリノア(シェパード)の“アミーゴ”号。特に薬物絡みの事件で活躍し、アミーゴの並ならぬ嗅覚のおかげで、今年になってからはコカイン50kgを含む大量の薬物押収に成功していたという。

その優秀なアミーゴが深刻な事態に見舞われたのは17日。丘陵地帯の麓に位置するホワイトクリフでハイカー2名が負傷との通報が入り、アミーゴの出動が決まった。しかしその救助活動の中でアミーゴは熱中症を発症。
地元の動物病院から北西に100km以上離れたラスベガスの「Veterinary Emergency & Critical Care」に転院した後、20日午前10時30分に容体が急変して死亡した。

バンの後部に安置されたアミーゴの亡骸は大きな星条旗でカバーされ、このほどやっとキングマン警察に戻ってきた。ボブ・デヴライズ署長は「私たちの落胆、喪失感は言葉では言い表せません。アミーゴのハンドラー(訓練士)のアダム・シモンセン氏、およびその家族は深い悲しみに打ちひしがれています」と述べている。ハイカーは救出され「キングマン地域医療センター」に搬送されたが、軽傷のみで命に別状はないという。

この夏、警察犬が熱中症で死亡する事件が相次いでいる米国。
7月19日には35度を超す暑さのテキサス州アーリントン市で、“モージョ”号が犯人を追跡中に体調不良を起こし、搬送先の動物病院で死亡している。緻密な訓練を積んできた優秀な犬ばかりであるだけに警察犬の殉死は非常に大きな損失となる。追悼式では棺に星条旗がかぶせられ礼砲とともに見送られるが、ハンドラーばかりか警察官の多くが大粒の涙を流すという。

出典:http://kdminer.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)