歌姫テイラー・スウィフトが困っている人のために、また一肌脱いだようだ。テイラーは、新型コロナウイルスの影響で一時閉鎖を余儀なくされているテネシー州ナッシュビルの人気レコード店にコンタクトをとり、閉店危機に追い込まれていた同店に救いの手を差し伸べたという。


『The New York Times』は米時間3月31日現在、米国内33州、およそ2億7000万人に自宅待機令が出ていると伝えたが、カントリーミュージックの聖地ナッシュビルがあるテネシー州も例外ではない。『Rolling Stone』誌の「2018年 全米レコード店ベスト10」に選ばれた人気レコード店「Grimey’s」は、ナッシュビル市に自宅待機令が発令された先月23日から店を一時閉鎖しており、閉店の危機にさらされていた。

そんななかナッシュビルの住民であるテイラー・スウィフトが、同人気レコード店の救済に乗り出した。『Rolling Stone』誌によれば、テイラーは代理人を通じて同店にコンタクトをとったとのこと。そして従業員の給料、ならびに3か月分の団体医療保険料を支払うことを約束したという。

テイラーのこのたびの申し出について「Grimey’s」の共同オーナー、ドイル・デイヴィスさんは『Rolling Stone』誌に次のように語っている。


「新型コロナのパンデミックのさなか、テイラー・スウィフトの代理人が私達の店に救済の手を差し伸べてくれると連絡をいただきました。大変驚きました。心底驚嘆した―と表現すべきでしょうか。」

「テイラーが私達のことを気にかけてくれていたなんて、思いもよりませんでしたから。彼女はナッシュビルやテネシー州中央部が竜巻に襲われた際も住民支援に尽力してくれましたが、今度は住民に愛される小さなレコード店を救おうとしてくれています。」

これから中小企業向け融資を申し込むところだというデイヴィスさんだが、テイラーの支援により「なんとか当面は持ちこたえられそうだ」と安堵の気持ちを述べている。また同店に通う客のウィル・オーマンさんも、

「先の見えない世の中ですが、またこの店に戻って来る楽しみができたと思うとテイラーには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも音楽を共有したり、コミュニティーと繋がることができるのは、テイラーからの手厚い支援のおかげですね。」

と喜びを明かした。


ちなみにテイラーが人々を“コロナ危機”から救うのは、今回が初めてのことではない。日々の暮らしに困窮するファンの現状に対し、テイラーは「投稿を読んだわ。あなたが今抱えているストレスが、これで少しでも和らぐのなら」とここ数週間で約20人のファンに現金3000ドル相当(約32万円)をプレゼントしたことが伝えられている。

日頃から「今の自分があるのはファンのお陰」と感謝の気持ちを忘れず、昨年12月に30歳の誕生日を迎えた際には「自分はなんて幸運なのかしら…」「どうすればみんなにこの恩返しができるかは、私の一生の課題よ」とInstagramに綴っていたテイラー・スウィフト。愛する街や大切なファンの危機を救おうと一肌脱ごうとする、そんな“有言実行ぶり”こそテイラーが“アメリカの恋人”と親しまれる理由の1つなのかもしれない。

画像は『Taylor Swift 2019年11月24日付Instagram』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)