いま、ワープロがあたらしい!?
(上)『Re:S(りす)』表紙。「あたらしい“ふつう”を提案する」がコンセプトだそう (中)ワープロのあるシーン。文房具として見ると、確かにかなりのハイスペックです (下)そういえば「フロッピー」っていうのも懐かしい響きですよねー
7月15日に創刊された新雑誌『Re:S(りす)』に「いまだからワープロ」という衝撃的な記事がのっていた。
シャープの「書院」、NECの「文豪」、「富士通OASYS」などなど、ある世代以上の人にとっては「なつかし〜」と思わず目が釘付けになる機種が誌面にズラリ。
かくいう私もキーボード操作はワープロで覚えたはずなのだが、たいして使わないうちに気づいたらパソコンに移行してしまっていたクチです。
そんな「文房具以上、パソコン未満」なワープロって、考えてみたら不思議な存在。しかし『Re:S(りす)』が提案するのはノスタルジーとしてのワープロではなく、優れた文房具としてワープロを使いこなす「今だからこそ」のワープロ。パソコンの普及により死滅したかのようにみえるワープロだが、「文章を書く」という機能だけを見ると、実はパソコンより優れている部分もあるらしい。
例えば、手軽にきれいな字が打てる、絶対にフリーズしない、外とつながっていないのでハッキングされない(笑)、ソフトをいちいちバージョンアップしなくていい、たとえば法律用語などの専門的な外字がフロッピーで保存できるetc。なお、これは決してマニアだけの話ではなく、有名作家やライターなど文筆に携わる職業の中には今なお根強いワープロ愛用者がいるのだか。

『Re:S(りす)』編集長は、実は先日「スローでエコなmyすいとうのススメ」で取材させていただいた藤本智士さん。巻頭にはもちろん、藤本さん入魂の「すいとうのある暮らし」特集もあるのでぜひご一読を!
ワープロ特集は、小説家・福永信さんの言葉にはじまり、小説家の長嶋有さん×柴崎友香さんによる「ワープロ対談」などワープロを愛する人たちのアツイ思いが炸裂。かつて、ワープロを使っていたことがある人なら思わず熟読してしまうこと請け合いの記事が満載! なのです。
なお、ワープロのすばらしさに言及するだけでなく、中古ワープロの専門店を訪ね、店主に取材するなどあくまでも「買って使う」ことを前提にしたスタンスで構成されているのもおもしろい。「今、ワープロはどこへいけば買えるか」などの情報もフォローされているので、記事を読んでワープロが欲しくなっても安心です!?

ちなみに、かつて私が愛用していたカシオのワープロは今、うちの母が愛用しているのだが「町内会だより」や「同窓会のお知らせ」などといったモノをつくるのには、たしかにパソコンより「文房具としてのワープロ」のほうが便利なのでは? と思えるフシもあるのだった。そういえば押し入れや倉庫にワープロが眠っている……という人はこの機会に引っぱり出してきて、『Re:S(りす)』と一緒に新しい使い途を考えてみるのもイイかもしれません。

(野崎 泉)

※『Re:S(りす)』は全国の有名書店ほか、アマゾンなどオンライン書店でも発売中!
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