アルプスの少女ハイジ、マボロシのおさげ髪
ハイジの愛らしさは本でも楽しめます。<a href=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198605246/excite-book-22/>『アルプスの少女ハイジ(12)』</a>(徳間アニメ絵本)
1974年1月に放映開始の名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」は、今年で誕生して30年。ハイジのキャラクターを作り出したのは小田部羊一、演出は高畑勲、そして場面設計を担当したのが宮崎駿である。


それまでのテレビアニメは、スポ根もの(懐かしい!)、ロボット系、魔法少女といったものが大人気。そんな風潮をよそに生まれた「アルプスの少女ハイジ」は、他のアニメとは違う地味な生活や質素な衣食住を丁寧に描いていこうと作られた。

それを示す面白いエピソードが一つある。

小田部羊一の描いたハイジはショートカットだが、実は放送前のパイロット版の時にはおさげ髪だったというのだ。

それが何故ショートカットになってしまったかというと、これにはちゃんとわけがあった。スタッフは準備段階で何と現地スイスにロケハンに行っているのだが、訪れた原作者ヨハンナ・シュピリの記念館で「おじいさんと二人の山小屋暮らしで、髪には手間をかけられない。
ハイジの髪は短かったはずだ」との話を聞いた。そこで急遽ハイジの髪を短くしたそうだ。

ちなみにおじいさんはお土産屋にあった木彫りの人形のイメージを膨らませて作ったらしい。30年経っても多くの人に愛される作品にはやはり随所にこだわりがあったのである。(こや)