尻毛と又丸に行ってきたよ
この2駅が連続して存在しているのがさらに良い。
面白い駅名、という話題が書籍やネットに書かれるとき、決まって「キングオブ面白駅名」として紹介される駅があります。文字で見たときのインパクトもさることながら、読み方もちょっと意外だし、何より隣にも変わった名前の駅がある。
つまり、珍名駅が連続しているわけで、そりゃあ名所にもなりますわね。

岐阜市内を出て、西側に向けて黒野へと向かう名古屋鉄道揖斐線は、路面電車タイプの小型車両が走るローカル線です。

そこにあるのが、尻毛(しっけ)と、又丸(またまる)です。まずは、駅名標の写真をごらんアレ。

何でこんなことになっちゃったのか、といえば、どうも近くを流れる川と「湿気」とが関係していそうです。もちろん地名も「尻毛」と「又丸」なわけですから。

岐阜市内中心街から国道157号線を西に向けて走り15分程度で、尻毛橋を渡り、尻毛町に入ります。「岐阜尻毛郵便局」を過ぎ、細い道を曲がると、尻毛駅はすぐそこです。小さいながらも駅舎が残っています。なんと昭和47年まで駅員さんがいて切符を売っていたそうで。うあー、じゃあ「尻毛から又丸ゆき」なんて切符もあったのかな。欲しい、欲しいぞう。


駅周辺一帯が「尻毛」という地名なわけですから、駅だけではなく、スーパーなどもあります。「スーパー尻毛」。……ものすごく尻毛、ってわけではありませんが。

一旦国道に戻り、また西に向かって少し進みます。するとすぐに又丸町。再び細い道に入っていくと、又丸駅があります。こちらはホーム一本だけの駅ですが、戦前には駅員さんがいたとも言われています。

道は狭いですが、両駅周辺ともにごくごく一般的な住宅街です。地図を見るとよくわかりますが、この周辺のみならず岐阜市には、区画ごとに昔の地名が数多く残されています。郵便屋さんは大変かもしれませんけれど、地図を見たり、散策したりするには、とても便利で楽しいです。

気になるのは、名古屋鉄道がこの路線から撤退するという噂です。どうなるかはわかりませんが、残ることを祈りつつ、ぜひ早めに足を運んでみてくださいませ。
(谷和原のぞみ/お気楽ステーション)
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