夏の東京はもともとジャングルと同じ気候だった
(上)世界各地の温度・湿度、(下)もうすぐ40℃!
今年の夏は暑かった。東京では40日間連続の真夏日を記録、最高気温の記録も、40℃に届くところだった。
これも地球温暖化のせい? それもある。でも、本当のところ、東京は「もともと暑い」のだ。

赤道直下にある、マレーシアのボルネオ島。この島にあるコタキナバルは、ダイビングやジャングル観光で有名な町だ。コタキナバルと東京の、8月の気候(平年値)を比べてみたのが、左の表だ。 

湿度は東京の方が少し低いけれど、気温はとてもよく似ている。
ロサンゼルスやパリと比べてみても、東京は圧倒的に暑い。8月の東京は、ジャングルにほど近いコタキナバルと、おんなじ気候なのだ。

熱帯と同じ夏の東京。本物のジャングルはないけれど、コンクリート・ジャングルの中でのネクタイ姿は辛い。せめて夏の間だけ、熱帯の国々ように、軽装での仕事が社会常識にならないものかと、切に願うのである。

でもこの暑さ、今年の夏を見る限り、悪いことばかりでもなかったように思う。
アテネでは日本人の活躍が目だった。左の表(世界各地の温度・湿度.jpg)をもう一度見てみて欲しい。アテネは暑いと言われるけれど、東京に比べると、空気がかなり乾いている。肌のじっとり感が少ないのだ。東京の夏に慣れている日本人にしてみたら、それほど不快ではないだろう。このことが日本人の活躍に一役買った、と言ったら、ちょっと言い過ぎだろうか。


話は変わるが、この夏、札幌市でサマータイムが試行された。サマータイムとは、夏の間だけ時計を進め、明るい時間帯を有効に活用しようというものである。残業時間が増える、夜更かしが増える……など、日本人の生活スタイルには合わないと言われるこの制度、札幌では概ね好評らしい。これも北国だからだろうか? 「ジャングルなみに暑い東京でサマータイムをやっても、暑い夕方が長くなるだけ」そんな声が聞こえてきそう。でも、サマータイムが本当に価値を発揮するのは、秋、ちょうど今ごろの季節だと思うのだ。

東京の9月中旬の日没は5時50分頃。
これが、サマータイムにすると、日没が6時50分頃に延びる。8時前まで薄明るいうえに、夏と違って涼しい。仕事が終わった後に、スポーツをしてみるのも悪くない。飲み歩く時間が長くなっては困るけれど……。

欧米では、サマータイムとは言わず、Daylight Saving Time(日光節約時間)と言うそうだ。夏に限定しなくてもいいみたいだ。
(R&S)