伊豆シャボテン公園、サボテンではなくてシャボテンのワケ
(上)公園のシンボル、ヒドラ像(下)山ひとつ使った感のある、おそろしく広い園内。猫のようにクジャクが登場
伊豆半島といえば伊東のハトヤと並んでおなじみなのが「伊豆シャボテン公園」。先日、「ま、話のネタに」と軽い気持ちで訪れたのですが、クジャクが目の前を横切るわ、カンガルーが放し飼いにされてるわ、池に浮かぶ島でチンパンジーが激しくケンカしてるわと、そのワイルドぶりにすっかり魅了されてしまった。


そんな動物王国のようなシャボテン公園。動物の多さももちろんですが、気になるのはやっぱり、「なぜ、サボテンでなくシャボテンなのか?」ってこと。思い切って、電話で聞いてみた。

「シャボテンというのは、船の上でこれをシャボン(=せっけん)がわりに使っていたことから、こう呼ばれるようになったともいわれてます。辞書にはサボテン、シャボテンの両方があって、昔はどちらも使われていたようなんですが、当園が昭和34年にできたもので……」
なるほどー。時とともに「シャボテン」の方が世間から消えちゃったんですね。
ちなみに、なんで名前に「動物」って入ってないんですか? こんなにいるのに!

「伊豆シャボテン動物公園ですか? ハハハ、それでもいいんですが。まあ、当初はもちろんサボテンがメインだったんですが、その後、動物がどんどん増えていったわけです」
名前の「シャボテン」は消えて、名前にない動物たちが増えて……時とともに事情が変わるのも、老舗のテーマパークならではのことかも。

 ちなみにこの公園、東京農業大学の研究グループが創設に関わっていたり、最近ではクジャクの生態を東京大学大学院の研究者が調査していたり、意外に学問のフィールドとしても利用されている。そんな理由から、民間の施設としてはめずらしく昭和天皇も訪れたことがあるそう。ただの「シャボテン」でも「公園」でもないこのシャボテン公園、伊豆に訪れる際は、たっぷり時間をとって行くことをおすすめします!(矢部智子/アンテナ)