
ところで、花の花粉飛散量が一体どうやって観測されているのかをご存知だろうか。
花花粉の飛散状況を知るための方法は現在大きく2つある。1つは固定式の採取器で1日1回花粉を採取し、顕微鏡を用いて花粉数を数えるというダーラム法。涙ぐましいほど地道で大変な作業が各地で行なわれているのである。そしてもう一つが花粉自動計測器で花粉の飛散状況をリアルタイムで把握する方法。
花粉自動計測器のしくみは簡単に言うと、内蔵された吸引ポンプで大気を吸引してレーザー光を照射、すると大気に含まれている花粉などの粒子で光が散乱するので、その散乱光の量から花粉の粒子の大きさを判別し、散乱光の数から粒子の数を求めるというもの。1分単位でリアルタイムで計測できるのがこの機械の強みだ。
この花粉を瞬時に計測する技術を日本で初めて開発したのは神奈川県にある大和製作所。半導体工場での浮遊物測定機器などを作っていた会社だが、1992年から花粉モニターの開発を始め、花粉症に詳しい大学の先生の協力も仰ぎ約5年の歳月をかけて完成。リアルタイム花粉モニターとして商品化に成功したのだそうだ。社長さんも花粉症に悩んでいたことも開発着手のきっかけの一つだったとか。
このリアルタイム花粉モニターでの花粉の計測ができるのは現在はスギとヒノキだけとのことだが今後はイネやブタクサなど測定対象は増やしていく予定だそう。環境省でもこのリアルタイム花粉モニターを使って中部、関西、関東の花粉飛散状況をHPで公開している。
まだ全国を網羅していない、というのが何ともいえないとこではありますが。花粉の飛散量がわかれば事前の対策もできるというもの。今年もお世話になります。(こや)