関東バージョン〔A型〕は、重さ360g、直径225mm、高さ115mm。一方、関西バージョンの〔B型〕は、重さ260g、直径210mm、高さ100mmと、ひとまわり小さいのだ。
なぜこんな違いができたのか? もしかして、関西人=ケチなんて理由だったりするのか…? ケロリングッズを扱う睦和商事の社長に、由来などを教えてもらった。
「ケロリン桶は、東京オリンピックの前年(昭和38年)に、内外薬品さんに私が23歳のとき、『湯桶にケロリンの広告を出しませんか?』と持ち掛けたのがきっかけなんです」
当時、衛生上の問題から、銭湯の湯桶が木から合成樹脂に切り替えられる時期だったため、そこに目をつけた。今では全国に6,000〜7,000軒となった銭湯だが、当時は28000軒もあり、「風呂桶を使った広告なら、多くの人が目にするはず」ということで話がまとまったのだとか。ちなみに、第一号は、東京温泉(東京駅八重洲口)に置いたものという。
では、どこで「関東・関西」のサイズの違いが生まれたのか。
「北海道から九州まで3年ぐらいかけて営業にまわったんですが、大阪に行ったとき、『大きすぎる』という声があったんですよ。関西のほうでは、浴槽からお湯をとってかける『かけ湯』をかなりやるんですが、それには関東サイズの桶では重いし、お湯を使いすぎるということのようで…」
やっぱりケチ? いや、合理性の証なのだろう。そもそも、かけ湯が関西のものということも知らなかったが…。
ちなみに、ケロリン桶は累計200万個ぐらい出ており、そのうち90%以上が「関東サイズ」。「関西サイズ」を使用しているのは、大阪、京都、兵庫あたりのみという。