アメリカ人のニックネーム
(上)真顔で質問に答えてくれたKenneth:ケネス (下)Ken:ケンだとこんなイメージ?
ちょっとしたアメリカ通や留学経験のある子でも、意外と知らなかったりするのが、アメリカ人のあだ名についてである。日本人だと、たいていそれぞれの名前を短くしたものである。
アメリカ人もだいたいがその通りであるが、中には「えーっ、何で?」というものもある。
まず無難なものからいくと、

Michael(マイケル)→Mike(マイク)
Thomas(トーマス)→Tom(トム)
Timothy(ティモシー)→Tim(ティム)など。

これは、名前をそのまま短くしたものといった感じで、よく分かる。
次に

Joseph(ジョセフ)→Joe(ジョー)
Jonathan(ジョナサン)→John(ジョン)
Anthony(アンソニー)→Tony(トニー)
Theodore(セェオドア)→Ted(テッド)

といったもの。これも名残があるため、まだ想像がつく。
 しかし、中には思いもかけないような変換をするニックネームがあるのだ。
以下は難易度上級クラスと思われるニックネームである。

William(ウィリアム)→Bill(ビル)
Robert(ロバート)→Bob(ボブ)

エーッ!なんで「Will(ウィル)」じゃないのー!? 「Will(ウィル)」でいいじゃーん! 「Rob(ロブ)」じゃなくて? 何故に「Bob(ボブ)」? ――初めてこのことを知ったとき驚きを通り越して、頭の中は「なんで? なんで? 」の竜巻状態だった。
さらに、面影もヘッタクレもないのが、

Richard(リチャード)→Dick(ディック)

である。このことをはじめて知ったとき、ふと頭によぎったことがある。
「エッ……じゃあ、『リチャード』というニックネーム使用の知人(日本人男性)は、さらに『ディック』になるんじゃぁ……」ということ。ニックネームのつもりがニックネームになっていなかったなんて……。


上記の上級クラスニックネームは、知らなければ変換を思いつかないニックネームである。日本だと、友達によっては変わったあだ名で呼ばれたり、名前以外のニックネームになることも多々あるのだが、こっちではたいてい略称が決まっている。だから余計に知っていなければ「???」で、使えないのだ。

ちなみに友人のKenneth(ケネス)(アメリカ人・文筆家)に上級クラスの「名前→ニックネーム」変換の意味&由来を聞いてみたところ、「そういえば何でだろう……」としばらく考えにふけっていたものの、結局は「分からない」というお返事だった。他のアメリカ人も知っている人はいなかった。ネイティブでさえ謎の上級ニックネーム変換って……。


そのKenneth(ケネス)がニコッと笑って最後に言った一言。「ちなみに『Kenneth(ケネス)』は『Ken(ケン)』だよ! 」
……「ケネス」ぐらい短い名前だったら、省略せずにそのまま読んでもいいのに……(マンゴ/NYニッチ)