電車、デパート…パブリックスペースの温度を調べる
6月に入って最高気温が28℃を超えた日、我慢出来ずに4月から休ませていた部屋のエアコンのスイッチを入れた。私にとって室温28℃は暑いと感じるトリガーのようだ。


本来は地球温暖化防止のための省エネ対策なのだけれど、小泉首相がシャツをタックアウトした姿が印象的で、ファッション面のみが注目されがちなクール・ビズ。その主旨には賛同しても、オフィスの室温設定が28℃と言うのはいささか辛い気がする。

当然のことながら、官公庁関係では28℃の基準が守られようとしているけれど、街中で人の集まるパブリックスペースなどでは夏の冷房温度設定はどうなっているのか気になった。

そこでまずは交通機関を調べてみた。JR・山手線は24℃、同じく中央線は25℃、都営地下鉄は25℃、営団地下鉄は26℃だそうだ。確かに山手線の冷房は少々強すぎる気がしていた。真夏の駅で車内に入った瞬間、気温との温度差に軽い不快感を覚えたりする。

デパートやスーパーなどの店舗では24〜26℃。デパートは比較的長時間滞在するし、ショッピングの快適さも売りのひとつなので26℃、スーパーは生鮮食料品がメインのせいか24℃前後が多いようだ。

私も週末にはよく出向く自宅の近所の図書館では26℃。利用者の要望や天候に応じて調整することもあるけれど、それ以下でも以上でも苦情が出やすいそうだ。
そう言えば、昨年の夏に関西国際空港のターミナルビルの温度設定を例年の26℃から1℃上げて27℃にしたところ、苦情が殺到してまたすぐ元に戻したという話題が新聞に出ていた。


改めて街の冷房温度設定を見てみると26℃が適正温度のような気がした。政府の提唱する28℃は地球環境の面から考えれば妥当なのかも知れないけれど、人の生理的な快適さから見るとこの2℃の差がアクション・プランの成否に微妙な影響を与えるように思える。

さて、私の自宅では気温28℃からエアコンが始動したので温度設定28℃という訳にはいかず、26℃に設定してみた。そこでふと素朴な疑問が生じてしまった。同じ26℃に設定するのなら冷房でも暖房でもどちらで運転しても良いのではないかと思ったのだ。さっそく私の部屋で稼動しているエアコンメーカーのお客様相談室に電話で質問してみた。「26℃にすると言う意味ではどちらでも構いませんが、部屋の温度が26℃以上あると暖房ではエアコンが動きませんけど…」納得。(シロー)
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