「ガムベース」って、なんだ?
上/取材前にガムベースを勝手に予想してみた。こんなドロドロしたやつ、ていうかスライムですね。下/これが実物のガムベース。これはグリーンガムになるやつだそうです。
ずっと、気になってたことがある。
チューインガムの包装紙、原材料名のところに必ず書いてある、こいつ。

「ガムベース」。
ほかの成分、砂糖やキシリトール、香料なんかはまあだいたい分かる。しかし、この「ガムベース」って結局なんなのか、皆目見当がつかない。
粉末なのか液体なのか。もしくは、粘度状にドロドロしたものだったりするのか。
はたまた、ベース=「基地」と解釈すると、ガムが待機していて次々にガムが出動していく「ガム基地」という概念的な呼称だったりしたら、相当うれしいなぁ。


くだらない妄想をふくらませても仕方ないので、ガムといえばここ、“お口の恋人”ロッテに、「ガムベース、見せてください」とお願いしてみた。
「これが、ガムベースなんです」
と、株式会社ロッテ広報室の大谷栄次さんと商品開発部ガム担当の関哲哉さんが見せてくれたもの、それは白っぽい1センチ弱ほどの、コロコロした粒だった。
これがガムベースなのか。園芸用の土に、こういうのあるな。

結局、ガムベースは何者なのか。
南米や東南アジアに生える木から採れる植物性樹脂を中心に(ロッテでは天然チクルを使用)、酢酸ビニル樹脂、エステルガム、ポリイソブチレン、炭酸カルシウムなどを混合し、チクルの噛み心地や弾力などを調整して作られるもの、これがガムベースなのである。

「ガムを噛んだあとに口の中に残るもの、これが要するにガムベースということになります」(関さん)
これに製品ごとに砂糖やキシリトール、軟化剤に香料などが加えられ、のばして切って、ガムが出来上がる。
ガムベースが粒状なのは、このキシリトールなどをミキサーで混ぜるとき、パイプを通りやすくするようにということだそうだ。

さらにロッテでは、常に「最高の噛み心地にこだわる」ために、ブラックブラックにはブラックブラック用の、フラボノにはフラボノ用のと、すべての商品に対して配合の異なる専用のガムベースが用意されているのだという。
「『ロッテのガムは、噛み心地がいいね』と言ってもらえるのが何よりです」(関さん)

「よかったら、ちょっと噛んでみますか? 味は別についてないんですけど」
ガムベースを一粒口に入れてみた。天然の甘みなんだろうか、ほんの少し甘みを感じるが、確かに、「噛んだあとに残るもの」の感触です、これ。最初から“噛み終わったガム”的なものだという、不思議な感触だ。


これから、ガムを味わったあと、「ちょっとガムベース捨てるね」というと、ガム通な感じ出ますかね。「?」って顔されるだけか。

※おまけ。
現在ロッテでは、板ガムと粒ガムの比率は「3:7」で、粒が主流になってきているそうです。女性が粒ガムを好むことが大きいんだとか。
(太田サトル)