それは、ごもっとも
ソーセージ、うずらの卵、海草でソレをかたちどった付け合せ。
以前、私は、宮城県にある「もっこりの里」を赤面しつつレポートいたしました。
今回もまた私、谷和原はノートパソコンの前で赤面しております。
いや、前回どころの騒ぎではありません。もしかしたら、コネタ初の「成人指定」なんてことにもなりかねません。ううっ。

えっと、気を取り直して、っていうか、開き直って……。

1998年。山梨県の三富村(現山梨市)と、埼玉県の大滝村(現秩父市)を結ぶ長大トンネル「雁坂トンネル」が開通しました。
随分昔から計画はあったのですが、かなりの山中を貫く大工事だったため、つながるまで結構な時間を要したのですね。それまで両端の村は行き止まり同士。深い深い山に囲まれて独自の文化が築かれていったのでしょう。

こと、埼玉県側の大滝村にある三峯神社は、由緒正しく歴史深い神社であり、節分の時には独特の神事「ごもっとも」が行われます。

これは、豆まきの背後で巨大な「ごもっとも様」を突き出すのが特徴だそうで。「ごもっとも様」とは、長さ1メートルのヒノキのすりこぎ棒型で、注連縄が巻かれ、根元にミカンが二個下がっている、そうです。

そして、そのごもっとも様に関連して、大滝村にある道の駅「大滝温泉」内の食事どころでは「ごもっともそば/うどん」がメニューに並んでいるのです。

普通のざるそばが700円。ごもっともざるそばが800円。この100円の違いとして、メニューに小さくこう書かれていました。「ごもっとも〜には、ソーセージ、うずらの卵、海草がつきます」

ふうん。変な組み合わせです。
すりこぎにミカン二個のごもっとも様に、ソーセージにうずらの卵のごもっともそばに……、え、あれ?
まさか。

運ばれてきた「ごもっともそば」。とても美味しそうなお蕎麦に添えられた、色艶のよろしい太いソーセージと、うずらのゆで卵。さらにはもじゃもじゃな海草少々。
……うわーーん。

店内のどこにも、そんなこと書いてないじゃないかっ。
入口に「関東唯一の名物」なんて不思議なあおり文句は書かれていたけれど、まさか「こんな」だとは思わないじゃないのっ!?

と、激しく赤面しても、もう遅し。しかし、周りを見回してもみんな何事もなく、静かに食事をしております。店員さんも若いお姉さんだし。みんな、知ってたのかなあ。オトナだなあ。
え、まだわかりませんか? 棒がいっぽんに、丸いものが二つあるんです。
そんで、海草までついて。個人的には海草はちょっとやりすぎだろう、と思いましたが。

ちなみに、三峯神社の「ごもっとも様」は、特に子授けにご利益があるのだそうです。
それはそれは、まったくもって「ごもっとも」でございます……。(谷和原のぞみ/お気楽ステーション)