日常的に使っている家電や道具にも、最初に生まれた日や場所が必ずあったはずです。
今、みなさんの目の前にある機械、パソコン。もはや特別なものではなく、日常に溶け込み生活の必需品となっています。少なくとも私は、パソコンを取り上げられちゃったら、仕事もできないし、お友達とのネットを通じたお話もできなくなってしまいます。パソコンさまさま。
そんなパソコンの「発祥の地」は、どこなのでしょう? 元をたどっていけば、最初のコンピュータ「ENIAC」が作られたアメリカのペンシルバニア州ってことになるのかな? うーん、遠い。一度は行ってみたいけれど、気軽には難しそうです。
では、日本での発祥の地は? というと……。そうです、やっぱりあそこにあるのです。
電脳都市アキハバラ。JR秋葉原駅の電気街口を出ると、目の前に立ち並ぶビルたち。その中のひとつ「ラジオ会館」に足を踏み入れます。
ここは、1976年日本最初のパソコンキット「TK-80」が売り出されたBit-INN東京の跡地なのです。
TK-80は、ディスプレイもなく、キーボードは16個だけの基盤むき出しの板状パソコン。メモリは512バイト。キロやメガの付け忘れじゃないですよ。それでも爆発的に売れたんだそうです。
このキットで遊んでいた少年少女たちが、今のコンピュータ業界を支えていると言っても過言ではありません。
TK-80があったからこそ、Bit-INN東京があったからこそ、今があるんですね。
(谷和原のぞみ/お気楽ステーション)