あの「酢だこさん太郎」がマスカット味に!?
酢だこさん太郎よりも多い配合で酢(果実酢)が入っていて、フルーティな味わいです。
「マスカットになっちゃいました」という駄菓子、食べたことがありますか? 

それはあのコンビニや駄菓子屋でおなじみ、「蒲焼さん太郎」、「酢だこさん太郎」など、"さん太郎シリーズ"の新商品で、なんとマスカット味なのです。
パッケージには、「今!何かと話題のお酢。
お酢はからだにいいよっていうじゃない。毎日たのしくしてもらうために、私、マスカットになっちゃいました! (株)菓道がお届けするあたらしいおいしさ、ちょっぴり刺激的でフルーティな味をみんなに食べてみますかっと」と、最後はダジャレで締めくくられた説明書きがあるが、味も香りもまさにマスカットそのもの。香りだけなら、とても「蒲焼きさん太郎」の姉妹品とは誰も思うまい。

しかしなぜ魚肉シートにマスカット味? なぜ「マスカットさん太郎」ではなく、「マスカットになっちゃいました」という商品名? 疑問はつきないので、製造元の菓道に問い合わせてみた。
生産開発部の寺田さんが語ってくれたのは、「プロジェクトX」を彷彿とさせる、家族愛あり、涙あり(?)のエピソード。ここから、田口トモロヲになりきって読んでみてください(笑)。

はじまりは、妻と何気なく立ち寄った薬局だった。サービスで行われていた血流検査を2人で受けたところ、結果は妻の方が自分より血液がサラサラで、妻だけが「とてもよい食生活なのですね」と誉められた。食生活なら自分も同じなのに、なぜ? ショックだった。
寺田の頭を、ある事実がよぎった。そうだ、妻は毎日欠かさず「酢だこさん太郎」を2枚食べている!!
「酢は飲みにくいけど、これなら手軽な食べきりサイズだし、すっきり味だから毎日続けられるの」
と妻は嬉しそうに話した。しかし、最後に一言。
「でももっといろんな味があってもいいなあ」

きっかけが、生まれた。商品開発が始まった。開発チームの話し合いで「フルーツ味」でいくことになり、味は娘が好きなマスカット味に決定。こうして「マスカットさん太郎プロジェクト」はスタートした。

試作1号は、社員の大半が「魚肉シートにフルーツ味は合わない」と批判的であった。しかし、試作を重ねるうち、徐々に美味しいという反応がでるようになっていた。
あるとき、女性社員の1人が笑顔でこう言った。「ほんとにマスカットだ。試食しているうちに、なんか好きになっちゃいました」
「これって酢がマスカットになっちゃった感じですよね」この言葉が耳から離れなかった。
これでいこう。そして、「マスカットになっちゃいました」が誕生した。

いかがでしたか? 挑戦する勇気って素晴らしいですよね。
そしてなによりプロジェクトのキーパーソンは妻、娘、社員の3人の女性。パッケージもシリーズの中では異彩を放つ、どこかフェミニンな仕上がり。駄菓子業界もマドンナ旋風が吹き荒れる時代!?
(いなっち)
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