「ラジオ体操発祥の地」は一つじゃなかった
(上)神田・佐久間町のラジオ体操発祥の地(下)これぐらい本気でやらないとダメなんですね
ラジオ体操というと、高校生の時の記憶を最後にまったく縁のない私だが、東京都千代田区神田に「ラジオ体操発祥の地」があると知り、見に行ってみることにした。

JR秋葉原駅から徒歩5分、佐久間公園という名の小さな公園内にそれはあった。
「ラジオ体操発祥の地」と刻まれた石碑。体操の各動作をあらわしたレリーフと共に、その由来が記されていた。要約すると、簡易保険局が「国民保険体操」と名付けた体操を制定したのが昭和3年。これがラジオで放送され始めて間もなく、地域の住人達を集め、全国に先駆けた「早起きラジオ体操会」が行われたのがこの公園だったとのこと。ちなみにその時に指揮をとったのは近くの警察署の巡査であった面高巡査。とりあえず感謝しておこう。ありがとう面高巡査!

と、ラジオ体操の歴史にしばし思いを馳せ、家に帰って詳しく調べてみて驚いた。東京都文京区にもラジオ体操発祥の地がある! 石碑には昭和4年に開始された、とあり、これが事実なら私の見てきた神田・佐久間公園より先ということなる。

全国ラジオ体操連盟へ問い合わせてみると、
「ラジオ体操の放送が開始されたのは昭和3年の末なので、(佐久間町でラジオ体操が開始された)昭和5年以前にも小規模なものは行われていたかもしれませんね。詳しく把握できない部分もありますので……」
とのことで、どっちが先だったということは正確には分からないそうだ。
「ラジオは当時、貴重なものでしたので、そんなに色々な場所では行われていなかったはずですけどね。ただ、佐久間町のラジオ体操会は子供も参加する規模の大きなものだったそうです」
うーむ、どうやら真相は歴史の向こうに消えてしまったようだ。


全国ラジオ体操連盟のサイトでは、ラジオ体操の動作を写真と動画で詳しく見る事が出来たり、ラジオ体操に関する実態調査のコーナーもあったりしてなかなか面白い。ラジオ体操第二2は、第1よりも運動量を高め、筋力を強化する目的があったなんて知らなかった!
(スズキナオ)
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