主人公・山岡士郎が繰り出す「究極のメニュー」と、その実の父である海原雄山が送り出す、「至高のメニュー」の料理対決がストーリーの核。幾度となく繰り広げられる、新聞社2社を巻き込んだ壮大な親子ゲンカ、じゃなくて名勝負。
昨年05年には、いよいよメニューを完成へという雲行きも見せたが、ここらへんでちょっと整理。
士郎と雄山、結局何勝何敗なんだ!?
現在発売中の『美味しんぼ』のコミックス、93巻までの通算859話を、雄山との対決を中心に読んでみた。ちなみに雄山がらみの話は270話ほどあり。
まず、連載早々に大原社主に、「『究極のメニューを作ることじゃ』」と命じられるが、士郎、全く興味なし。しかし、6話目に登場した雄山にこてんぱんにされ、引き受けるという展開。
15巻で「至高のメニュー」が登場、ここから長い長い親子バトルの本格的スタート。
序盤30巻までで士郎3勝、雄山4勝、引き分け6回と、一歩雄山リード。41巻のおせち対決と朝食対決で士郎、初の連勝。波にのってきた43巻で士郎、栗田ゆう子さんにプロポーズ、47巻で2人の結婚式となる。
結婚披露宴もやっぱり対決の場となったのだが、ここまでで士郎6勝、雄山6勝、分け13回と、五分の星。
ところが。
新郎・士郎が、こんなスピーチを。
「公式非公式を含めて34回対決して、われわれの6勝13敗15引き分けです。『究極のメニュー』の圧倒的な敗北の歴史です」
むう……。士郎め、余計なことを。
数、全然違うよ。なんだ、13敗って。
士郎はオレの知らないところで7回も負けていたのか。そんな対決、知らんぞ。単行本未収録か。
47巻ぶん費やした時間が一気に色あせ、かなりへこんだが、継続。
で、59巻で対決再開、68巻で栗田さんご懐妊、75巻で双子誕生!(「抱いてやってください」と言われ、「なに?」とたじろぐ雄山、ちょっとカワイイ)
93巻まで、単行本上で発表された対決のべ38戦(うち1戦は、ノーゲーム)。
結果。「究極のメニュー」9勝(勝率2割4分3厘)、「至高のメニュー」12勝(3割2分4厘)、16回の引き分け。
まあ、「どっちも素晴らしかった」と、引き分け判定されることの多いこの対決ではあるが、いまのところはこんな感じ。別に雄山ばかり勝ってるわけでもない。
せっかくなので、劇中「むう」だの「ほう」だの「なんと」だの、やたら感心してうめいたり、叫んだりする雄山さん、その口癖もカウントしてみた(ていうか、こっちのほうが、何倍も大変だった)。
一番多かったのは「なに/何」という驚きで、43回。ついで、「ふむ」の38回。
以下、詳細は省きますが、10位まで。
「うむ」&「ふ」25回。「ほう」24回。
“む”と“ふ”が多いな。どっちでもいいが。
(太田サトル)