米ナンバーワンの肥満都市シカゴの今
アメリカの男性雑誌「メンズ・フィットネス」が、毎年1月に掲載する肥満体シティと均整体シティのランキングが、今年の抱負にダイエットを揚げる人が多いアメリカで話題になっている。
このランキングは、市民の体重を計った科学的データからではなく、ファーストフード店の数や、空気のクオリティー、テレビを見る時間、公園の数など14の要因を元にした統計上のランクだ。


今年の全米肥満体シティ第1位にランクインしたのはシカゴ(昨年5位だったが急上昇)。シカゴ人は、テレビの前で過ごす時間が圧倒的に長いという結果だが、寒く長い冬、インドア派になるのは自然なこと。暖かくなれば自転車に乗り、ビーチバレーも盛んなのだが有名レストランも多く、食べる事に重点を置いている人が多いのも事実だ。

肥満人口が増えると、思いもつかないところから改善をしなくてはならないようで、シカゴ交通局は、バスの座席幅を大きくする予定だという。現在の座席幅はメジャーで計ってみたが、44.5センチある。私的にも、かなりゆったりしたスペースだと思っていたのだが、今春から採用されるのは座席を作っている工場最大サイズ、限度ぎりぎりの46センチ。腰幅の小さい人と子供が一緒に座れちゃいそうな大きさになるのだ。

シカゴの冬は、人々が厚着をしているうえに、ダウンジャケットや大振りの防寒着を着ているので、肥満でなくとも普段の体の倍になっていそうな様相。いやでも他人と服が擦れ合ったり、大きい人は一人で二人分の席を占領したりしているのが現状だ。
電車もバス同様、仕切り座席になっているのだが、これを取りさえすれば公平に座れるうえ、スペースの節約にも繋がるはずなのに、プライバシーバリアとでもいうのか、この仕切りにこだわるシカゴ人も多い。

エレベーターやデパートのドアなども、今後幅広にしていくらしく、肥満対策をするならまだしも、体が大きくなるにつれ周りのサイズを変更していくと、体格に気づかないばかりか、増進に拍車をかけているような気さえする。この調子で行くとシカゴの将来はとんでもない大きな電車やバスになるのだろうか。


ちなみに、均整体1位にランクされているのはボルティモア市。バス座席やデパートのドアは、シカゴと比べどれくらい幅が狭いのか、興味のあるところだ。
(シカゴ/あらた)
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