コーラの先駆者!? キリンガラナ
(上)パワフルなパッケージの正体は?(下)見た目はコーラに似てるけど……
正月明けのこと。北海道出身の友人が帰省みやげに「キリンガラナ」をくれた。
一目見てドリンクだとはわかるが、赤と黒のエネルギッシュなパッケージは初めて見た。

友人いわく、「昔はよく飲んだ気がするけど、最近は北海道限定商品らしいよ。世界中で売れているコーラだけど、唯一コーラよりガラナが売れている国があって、日本でも発売し始めたらしいよ」とのこと。確かにパッケージには「北海道限定」の文字が記されている。

早速飲んでみた。見た目は確かにコーラみたいだけど漂ってくる匂いが全然違う。
もっとあま〜い匂いなのだ。一口飲んでみると「あ、なんかこの味知ってる!」というのが第一印象。何の味かと必死に考えて思い出した。そう、クリスマスによく目にする子供用シャンパンの味に似ているのだ。見た目は栄養ドリンクのような力強さなのに、実はちょっとかわいいお味。かなりおいしいくて、しかも懐かしい味だ。
それなのになぜ「北海道限定」なのか。また友人の言っていた誕生秘話(?)は本当なのか。早速キリンビバレッジ広報部に問い合わせてみた。

「ガラナは、ブラジルのアマゾン川流域にある植物なんですが、ブラジルで一番売れている飲み物かは不明です」そうなんですかー。友人から聞いた話の信憑性は残念ながら不明だった。

そんな「キリンガラナ」の歴史は意外と波乱万丈。
1982年に「キリンメッツガラナ」として発売を開始し、1997年に一度販売を終了。そして「キリンガラナ(北海道限定)」として2003年から再度販売を開始し現在に至るそうだ。

それにしてもなぜ北海道限定? 「北海道でガラナが受けている理由は、コカコーラが日本に上陸して北海道まで波及する前に、北海道地区でガラナが普及したことが原因だと思われます」なるほどー。そういう意味では北海道におけるコーラの先駆者とも言える。味こそかなり違うが見た目は似ているし。

ちなみに「ガラナ」はブラジルのアマゾン川流域で産出される木の実。
カフェインやカテキンを豊富に含み、古くから健康維持に貢献したと言われている。日本では、ガラナ種子から抽出したガラナエキスをベースに「キリンガラナ」のような炭酸飲料にしているそう。なんだか昨今の健康ブームでも受けがよさそうだ。

しかし、残念ながらガラナは北海道限定販売の商品。サイズはなんと6種類(!)も取り揃えてあるそうだが、全て北海道のみでの販売とのこと。うーん、これは北海道に行ったときに飲んでみるしかなさそうだ。
または私のように北海道出身の友人がいればおみやげリクエストしてみるとか。

すでにキリンガラナの味を知っている人、またはキリンガラナを懐かしく思う北海道出身者には「お箱の単位のお取り寄せ」なら可能。直接北海道の配送センター(北海道キリンビバレッジサービス(株)石狩配送センター 0133-75-6247)で受け付けてくれるので、たまには懐かしの味を楽しんでみるのもよいのでは?

波乱万丈な「キリンガラナ」だけにそのうちまた全国進出なんて日も来る……といいな。
(古屋江美子)