
エチゼンクラゲと食品化しようと思ったきっかけは、やはり漁師の方々のため。2002年に京都府漁業協同組合連合会からの相談を受け、現地での被害状況を目の当たりにして「なんとかしなければ」という思いが強まったそう。
早速、食品化に向けて研究を進めるも、そこでエチゼンクラゲの厄介ぶりに直面。体のサイズが大きすぎる為、くらげ食品に欠かせないコリコリとした食感が出せない。さらに特有の渋みや臭みが食品化の邪魔をしました。
しかし、昨年から発生したエチゼンクラゲは、サイズも小さく渋みや臭みもなかった為、食品加工に踏み切ったそうです。そして度重なる試行錯誤の結果、生まれたのが「くらげポンチ」。ラム酒とシロップで味付けされ、ナタデココのような食感を楽しむ事が出来る新感覚デザートだそうです。
果たしてこの「くらげポンチ」は売れているのか? 失礼だとは思いつつ伺ってみると「そこまで売れていない」との返答。
ちなみにこの「くらげポンチ」の売り上げの一部は、エチゼンクラゲが水揚げされる漁港の伊根漁業協同組合に還元しているそうです。昔から「困った時はお互い様」とはいいますが、まさに漁港と水産加工メーカーの強い絆を感じるお話でした。
(木南広明)