ポケットにいつも「飴ちゃん」を
ポケットの中の「飴ちゃん」含有率、平均5個でした。
「ポケットや鞄の中に飴が入っているとおばちゃんの証拠」、とはよく聞く話。
とくに関西圏の人は、老いも若きも飴を携帯する人が多い。
「よく喋るので、喉が痛むのを防ぐ為」とも言われているが、真相は定かではない。
関西圏の人は飴に特別に感情を持っているように思える。だから呼ぶのだ「飴ちゃん」と。

そこで、大阪の街なかで、町を歩く人々に性別年齢あれこれ、「飴持ってますか?」とたずねてみた。
すると、飴を持ち歩いていたのは43人中、なんと31名。
特に10代後半〜20代の女性にかぎってみると、飴携帯率、80%! 理由は「ダイエットのため」が断トツで、舐めて空腹感を紛らわすというわけだ。


いっぽう男性で飴ちゃんを携帯しているのは、大半が新社会人。こちらの主な理由は「口臭を防ぐため」。味はミント系が好まれる。
どちらもゴミが出にくいケース入りや小袋入りが人気であった。
それに反して、がっつり大袋入りの飴ちゃんを好むのは断然40代・50代以降の女性。
男性の飴所有率は年齢に応じて下がっていくが、女性は逆に上がっていく。
冒頭の「定説」もうなずけなくはない。

40代以降の女性が持つ飴は、レモン味や黒糖味などが中心で、それらを袋ごと鞄の中などに入れて持ち歩く。
そして携帯理由としては、「自分が食べるため」、ではなく「人にあげる」という答えが増えるのもこの年代の特徴か。

しかしこれだけ飴ちゃんを持ち歩く関西エリアの人々。関東と比べると飴の売り上げや消費もすごい事になっているのではないだろうか。
数社の製菓会社にも問い合わせてみたところ、「関西・関東どちらもあまり変わらないですね」との答え。

しかし製菓会社によっては「関西エリアはエリアが狭い割に売り上げが高いですね。つまり関西はひとり頭の飴消費量が高いということです」という答えを返してくれたところも。
製菓会社の本社が関西にある場合、関西での売り上げが伸びる。という傾向もあるらしい。

ちなみにこれまでの季節は「喉スッキリ」系のキャンディーが流行っていたが、なぜか毎年これからの季節はソフトキャンディーやグミの売り上げが伸びるのだとか。これは関西だけではなく全国レベルでの話。

ちなみに、今回の調査結果によると、関西圏ではどうやらグミやソフトキャンディーなども「飴ちゃん」の一種として認識されているようだった。

今回のアンケートの際、飴のことを尋ねると、「この飴が美味しいで!」と飴を渡されること数十個。確かにコミュニケーションツールとしては最高のアイテムである。
「初めましての挨拶代わりに飴ちゃん」、「喧嘩の仲直りに飴ちゃん」。飴ちゃん=おばちゃんの固定概念を忘れてポケットの中にいつでも飴ちゃん常備、が人間関係を円滑にする為のおまじない、なのかもしれない。
(のなかなおみ)