少女マンガのお約束の記号「赤面」。街角で人とぶつかっては「ポッ」、恋する男のコと目が合っては「ポッ」、毎日がときめきだらけだ。
この「赤面」、古くは少年誌だが、『週刊少年ジャンプ』で連載していた『キックオフ』でも、あらゆるシーンで見つめあい、赤面する「由美ちゃん……」「太陽くん……」というのが登場し、「キックオフごっこ」という言葉が出たほどであった。
だが、今の『ジャンプ』を読むと、赤面があるのは『エム×ゼロ』や、ギャグマンガの『ピューと吹く!ジャガー』ぐらいのもの。
少女マンガでは、「赤面」表現は健在なのだろうか。
気になって、『ちゃお』『なかよし』『りぼん』の月刊3少女誌(それぞれ8月号)掲載マンガで、群集を除くすべての顔について、「赤面」率を調べてみた(※群集か主要人物かは、個人的な判断による)。
まず、『ちゃお』の場合、全人物カット2091のうち、赤面しているのは1182。赤面率は、56.5%と、非常に高い数値である。
ちなみに、まったく赤面していないのは515で、24.6%。汗をかいたり、青ざめているのは323で、15.4%。泣いているのは49で、2.3%、怒りマークが額に浮かんでいるのは20で、0.9%。ヨダレは2で、0.3%という結果だった。
この調査、細かくカウントするとあまりに大変で埒があかないので、以下、『なかよし』『りぼん』は、赤面・非赤面のみを調べることに……。
『なかよし』の場合、赤面してる人はちょうど800で、赤面していない人が617。
『りぼん』の場合、赤面しているのは716で、赤面していないのが764。赤面率は、48.4%で、非赤面率は51.6%だった。
このように、雑誌によって、赤面率にある程度の差があるとはいえ、それにしても、いまだに本当に多い「赤面」シーン。
分類してみると、圧倒的に赤面シーンが多いのは、主人公の女の子で、他は、主人公の友達でけっこう可愛い子など。
逆に、赤面がないのは、ホラーマンガやギャグマンガの類で、キャラクターでは、ライバルの意地悪な女の子、メガネの人、おじさん、動物など。そして、最も赤面しないキャラは、主人公が恋するクールな男の子である。
ちなみに、主人公と三角関係にある二人の男の子が登場する場合、優しくて赤面するほうよりも、赤面しないクールなやつのほうに徐々に心奪われていくというケースも多い。
で、ふと、日常の自分を思い出してみた。ドジふんだとき以外、そうそう赤くなることって、ないな? 日常の赤面率、1%以下!
でも、普段から瞳がウルウルしてる女の子が、異性に勘違いされてやたらモテるように、この「ポッ」っていうのも、やはり「コイツ、オレに気があるのか?」と思わせ、恋に落ちさせるテクニックだとしたら……。恋する乙女に「赤面」は永遠の必須条件なのかもしれない。
(田幸和歌子)
この「赤面」、古くは少年誌だが、『週刊少年ジャンプ』で連載していた『キックオフ』でも、あらゆるシーンで見つめあい、赤面する「由美ちゃん……」「太陽くん……」というのが登場し、「キックオフごっこ」という言葉が出たほどであった。
だが、今の『ジャンプ』を読むと、赤面があるのは『エム×ゼロ』や、ギャグマンガの『ピューと吹く!ジャガー』ぐらいのもの。
少女マンガでは、「赤面」表現は健在なのだろうか。
気になって、『ちゃお』『なかよし』『りぼん』の月刊3少女誌(それぞれ8月号)掲載マンガで、群集を除くすべての顔について、「赤面」率を調べてみた(※群集か主要人物かは、個人的な判断による)。
まず、『ちゃお』の場合、全人物カット2091のうち、赤面しているのは1182。赤面率は、56.5%と、非常に高い数値である。
ちなみに、まったく赤面していないのは515で、24.6%。汗をかいたり、青ざめているのは323で、15.4%。泣いているのは49で、2.3%、怒りマークが額に浮かんでいるのは20で、0.9%。ヨダレは2で、0.3%という結果だった。
この調査、細かくカウントするとあまりに大変で埒があかないので、以下、『なかよし』『りぼん』は、赤面・非赤面のみを調べることに……。
『なかよし』の場合、赤面してる人はちょうど800で、赤面していない人が617。
赤面率は、56.5%で、非赤面率は43.5%。
『りぼん』の場合、赤面しているのは716で、赤面していないのが764。赤面率は、48.4%で、非赤面率は51.6%だった。
このように、雑誌によって、赤面率にある程度の差があるとはいえ、それにしても、いまだに本当に多い「赤面」シーン。
分類してみると、圧倒的に赤面シーンが多いのは、主人公の女の子で、他は、主人公の友達でけっこう可愛い子など。
逆に、赤面がないのは、ホラーマンガやギャグマンガの類で、キャラクターでは、ライバルの意地悪な女の子、メガネの人、おじさん、動物など。そして、最も赤面しないキャラは、主人公が恋するクールな男の子である。
ちなみに、主人公と三角関係にある二人の男の子が登場する場合、優しくて赤面するほうよりも、赤面しないクールなやつのほうに徐々に心奪われていくというケースも多い。
で、ふと、日常の自分を思い出してみた。ドジふんだとき以外、そうそう赤くなることって、ないな? 日常の赤面率、1%以下!
でも、普段から瞳がウルウルしてる女の子が、異性に勘違いされてやたらモテるように、この「ポッ」っていうのも、やはり「コイツ、オレに気があるのか?」と思わせ、恋に落ちさせるテクニックだとしたら……。恋する乙女に「赤面」は永遠の必須条件なのかもしれない。
(田幸和歌子)
編集部おすすめ