
蛇足までに言っておくと、この5年間大川興業の総裁をつとめていたのは、江頭2:50。前回は小泉総裁誕生前夜に「江頭新総裁」が誕生し、大変な話題となった(?)のだが、今回はネット投票も導入し、「大川豊前総裁の返り咲きなるか」「新キャラの当選か」と注目を集めている。
「大川興業が総裁選をやると、不思議なことに自民党も総裁選をぶつけてくるんですよね〜。パクリですね」と、司会の松本キックは言っていた。そうだったのか、自民党!!
ついでに(軽いッ!)、「日銀総裁も民意で」ということから、受付ではチケットと引き換えに、2枚の投票用紙を手渡された。1枚は、「大川興業総裁選」、もう1枚は「日銀総裁国民審査」で、福井俊彦・現日銀総裁不信任の場合には、以下の候補者から選ぶというもの(もちろんネタです)。
「大川豊、ジョージ・ソロス、アラン・グリーンスパン前FRB議長、村上世彰前村上ファンド代表、植草一秀」
貴重な一票が、自分の手に委ねられているかと思うと、いやがおうでも気分は高まる。
静まり返る会場に、江頭総裁が登場すると、歓声がわき、「どーんと鳴った花火が♪」の「花火3連発」が行われた。
最初の候補は、公約に「学ランカフェを」「麻生大臣とアニメ外交」「大川興業、お笑いから撤退」などを唱える「三平×2」。推薦人・長州小力のビデオが流れたが、モゴモゴして何を言っているかさっぱりわからなかった。
次は、政治家の推薦人まで投入した大川前総裁。近年の活動のなかから、「パロマで××」「植草氏と××」「ヨハネパウロ××」「ブッシュの××」「北朝鮮の××」「アルジャジーラの××」など、次々と仰天の衝撃映像が……。
続いて、裁判傍聴芸人「阿曽山大噴火」候補、「大川興業入社20年、副総裁18年」という歴史を持つ「寺田体育の日」候補のあと、いよいよ「隠れ本命」江頭2:45が登場した。学ラン、学帽だけど、ときどきテレビで見る「エガちゃんのお父さん」だ。
「1、息子を踏み台にして自分が売れます。2、息子と一緒にCMに出ます。3、息子とコンビを組んでエ○タの神様に出ます……」
マイペースに公約を述べ、なぜか「高校三年生」を本気で熱唱。
そんな傍若無人ぶりに対抗し、江頭現総裁が「目には目を、歯には歯を、親父には親父を」と投じた「刺客」は……なんと大川豊のお父さん、「大川長三」さんだった。
ステージ上にはなぜかおじいちゃんが二人、パイプイスに座ってポケーッとしている。大丈夫か!? 一人一人がステージに上り、厳かな雰囲気で投票し、開票となったが、結果は……大川興業総裁には、大川豊が返り咲き。「日銀総裁」にも、大川豊総裁が選ばれ(もちろんこっちはネタです)、めでたくW当選となった。
実にバカバカしく、壮大なコントであったが、いちばん印象的だったのは、日ごろテレビではギリギリのキャラとして扱われている江頭2:50の「優等生」ぶり。
ステージ上で暴走、脱線する人たちの軌道修正をし、ソツなくツッコむ「エガちゃん」は、実に気配りの人である。
第三回が行われるかは謎だが、今後の大川興業に、ますます注目していきたい。
(田幸和歌子)