200人の「D.T.」大集合! 童貞映画イベントルポ
『40歳の童貞男』は、9月2日からユナイテッド・シネマとしまえん、30日からユナイテッド・シネマ岸和田でレイトショー。10月26日にはDVDも発売されます。チェリー入りアイスコーヒー、なかなか美味でした。
40歳で童貞の男性が主人公の恋愛コメディ映画、『40歳の童貞男』の公開記念試写イベント、「童貞(D.T.)ザ・ナイト」が、六本木のオリベホールで開催された。ちなみに「D.T.」とは童貞マインドを大切にしている人たちの総称で、みうらじゅんの造語。

この日駆けつける観客約200名が、その「D.T.」なのだという。
ということで、駆けつけてみた。

会場に行くと手渡されるのが、特製のミニティッシュ箱と、チェリー型のロリポップキャンディ。ドリンクコーナーのジュースやコーラ、アイスコーヒーなど、すべてのドリンクにチェリーが浮かべられている。

さて、イベントスタート。まずは、全国童貞連合という団体が選んだ、「童貞が憧れるタレントナンバーワン」として、飯島愛がステージ上に登場。
表彰をうける。
「童貞のみなさん、こんにちはー!」
と声をあげるが、会場、シーン。そう、みなさんはピュアでシャイなのである。会場にはオレ含めマスコミが多数駆けつけていたが、ドリンク買うと、その「絵」をおさえようと、カメラが追いかけたりする。飲み物欲しくても、カメラにはうつりたくないし……と、その控えめさが、D.T.。

続いて、この映画の特別宣伝プロデューサーでもある、みうらじゅんと、山田五郎によるトークショー。
山田五郎が、「電車でカバン持ってもらったりしたら、もう好きだよね」といえば、みうらじゅんが、「その夜に、その子の曲ができてるね」と返す。で、勝手に妄想し、勝手にその中で裏切られ、勝手に「女は魔物だ」と、結論づける。そんな勝手さも、D.T.。

2人は、「童貞を長くこじらせたほうが、よりクリエイティブになれる」「『電車男』は、おたくの敗北の物語。結局、アイツはつまんない奴になっちゃうってことでしょ」「肘を折り曲げるだけでいろいろ想像できたし、辞書や住所録なんかだけでも妄想できた」と、D.T.の「美しさ」を次々に語っていく。そう、D.T.時期がグローリーデイズなのだ。


肝心の映画については、主人公に、どうにかして初体験させてあげようと奮闘する同僚たちの様子に、「童貞が神様なんだよ。神様に光をもらうことで、周りも『青春』になるんだよね」と、みうらじゅん。そう、みんないい年こいてちゃんと働いているのに、すごくイキイキしてて、ちゃんと「青春映画」なのである。

試写を見ながら、高校時代にバンドを組んだものの、嫌いな友達のことや生徒会を信じるな、みたいな曲を歌い、それが「カッコいい」と思ってたこと、女子のプールの授業を鈴なりになってのぞいたこと、女子のジャージを拾い、なぜか奪い合いになったことなど、なんともバカな、D.T.的思い出と友達の顔が、次々頭にうかぶ。
いちおう、それもまた「美しい」と思ってます、オレは。そのおかげで、こうやって職業ライターになったんだろうし。


このときの友達に、連絡してみるか。そして聞いてみよう。「あのころのD.T.マインド、まだ持ってるかい?」と。
(太田サトル)