
牛乳を8時間煮つめてつくったという和製チーズはコクがあってクリーミー、下に敷かれたタルト生地のサクサク感がマッチして、意外とあっさり。ちなみにチーズケーキではない、“蘇”そのものもあるそうだが私が行った日には残念ながら品切れ状態だった。
“蘇”のレシピ再現に成功したのは奈良県橿原市にある「西井牧場」さんだそう。飛鳥時代の日本にチーズがあったというのも驚きだが、レシピを再現してしまうのもすごいですよね! 食べたからといって聖徳太子のように一度に10人の話を聞けるようになるわけではないものの、なかなかおいしゅうございました。
ちょっと調べてみたところ、“蘇”はおもに貴族の食事に登場するメニューで、庶民の口になかなかのぼるものではなかったようです……。しかも、当時は甘味料がなかったのでデザート、もしくは美容健康食として食べていたもよう。デザートにチーズを食べるなんて、ちょっとしたフレンチみたい!? ですよね。しかも、当時は箸がまだなかったので木のスプーンで食事をしていたそうで、微妙に洋風だったというのがなんともおもしろいです。平安時代の日本最古の医学書『医心方』には「蘇は筋力がつき、胆が強くなり、肌や体に潤い、つやが出る」という記録も残っているとか。
ところで、この「大阪チーズケーキフォレスト」は、(株)ナムコ「チームナンジャ」がプロデュースする21番目のテーマパークだそう。コンセプトは「“妖精がつくった美味しいデザートに満ちた幸せの森”で開催されるガーデンパーティ」(!)
お客様はファンタジックな森に招待された「デザーリアン」で、従業員はチーズケーキに精通した「ハピニスト」だそうなのです。このメルヘンタッチの森の中には、名店のチーズケーキ&珍しいチーズケーキがいっぱい。
(野崎 泉)