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「天然記念物」にまつわる様々な誤解

先日、「川上犬」に関する記事を書いたが、川上犬といえば、一般的に「天然記念物」だと思われている。
だが、「長野県の天然記念物・川上犬」という記述は正しいが、「台湾で活躍する天然記念物・川上犬」などというものは存在しないし、「天然記念物・川上犬」も誤りだ。さて、なぜでしょう? 

「天然記念物」はそもそも「国または地方自治体が指定したもの」であり、川上犬の場合は長野県の指定なので単に「天然記念物・川上犬」としてしまうと、国が指定したという意味になってしまうのが、一つとしてある。
さらに天然記念物には、「動物の場合は生息地、繁殖地、渡来地を、植物の場合は自生地を、鉱物の場合は特異な自然現象を生じている土地を含めて指定される」(ウィキペディアより)という条件もある。

同様に、一般的に「天然記念物」だと思われがちなカブトガニ。これが、ペットショップで売られているのを見て不思議に思ったことはないだろうか。
これは、カブトガニ研究者に聞いたところによると、アメリカから輸入したもので、「厳密に言うと別のもの」なのだという。
また、一部地域の人がときどき「子どもの頃、カブトガニを食べた」なんて言うのを聞くが、80年代ぐらいまでは瀬戸内海沿岸や九州玄界灘ぐらいにかなり繁殖していたそうで、干潟の減少によって絶滅の危機に瀕した生物となっている。

一般に天然記念物と思われがちな「カブトガニ」は、実はそうではなく、正しくは「笠岡市のカブトガニ繁殖地」が天然記念物に指定されているということである。

では、そもそも天然記念物はいったいどのように決まるのか。長野県の天然記念物・川上犬のケースについて、先述の川上犬保存会に聞いてみた。
「川上犬の場合、まず川上村に生存するというのが第一条件になっています。さらに、『種』ではなく、『個体』としてふさわしいと認定されないといけないため、審査があるのですが、これは『体の大きさが基準値におさまっていること』『体型・体格』『尾の巻き方』『体毛(毛艶、毛の長さ・色など)』『血統』『飼育環境』などを含めて、基本的な条件をクリアして初めて認められます」
実際、川上村は真冬が極寒の地域だけに、その寒さがあって初めて犬の毛艶がよくなるのだそうで、別の地に出ていった犬は体毛の長さや艶などが変わってきてしまうのだそうだ。

ところで、現在、生存する川上犬はどのくらいで、そのうち「長野県の天然記念物」はどれくらい?
「台湾に行った犬が生きているとしても、純粋な川上犬は350頭前後しかいません。また、一般に飼育されている犬が生きているか死んだかなどの報告がすべてあるわけではないので、それも定かではありませんが、そのうち『長野県の天然記念物』として認定されているのは、36頭(5月末現在)だけなんですよ」

一般に、大雑把にひとくくりにされがちな「天然記念物」には、実に細かく複雑な条件があるのでした。
(田幸和歌子)

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