大型の電気自動車(EV)トラックを開発する「零一汽車(ZERON)」がこのほど、シリーズAで5億元(約100億円)を調達した。自動運転ユニコーンのMomenta(モメンタ)が、興杭創投(Xinghang Venture Capital)および辰韜資本(Cherish Capital)と共同で出資を主導した。
零一汽車は2022年設立。創業者の黄沢鏵CEOは、トラック向け自動運転技術を手がける「図森未来(TuSimple)」の共同創業者としても知られる。もう1人の創業者である張紅松総裁は、トラックメーカー「北汽福田戴姆勒(Beijing Foton Daimler Automotive)」副社長や、重機大手の三一集団(SANY Group)傘下のトラックメーカー「三一重卡」社長を歴任した人物だ。
同社は2024年、独自開発した第1世代の大型スマートEVトラックを発売した。黄CEOによると、同車種では独自の電動駆動ユニットを採用することで、860馬力の高出力を実現している。一方、従来のエンジン式大型トラックの出力は最大で600馬力前後、エンジン車をEVに改造した大型トラックは500馬力にとどまる。完成車コストに関しては、高効率な電動駆動ユニットを自社開発したことにより、エンジン車をEVに改造した大型トラックとほぼ同水準に抑えた。
2025年中旬までの納車台数は、新興大型トラックメーカーではトップクラスの700台余り、砂利やセメント、石炭、鉄鋼、非鉄金属などのバルク輸送を手がける企業が顧客の8割を占める。25年は年間で1500台の納車を目指す。
現在は、エンド・ツー・エンド(E2E)のビジョンソリューションを活用し、自動運転レベル4の実現を推し進めている。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)