中国香港証券先物委員会(SFC)はこのほど発表した「2024年資産運用・ウエルスマネジメント活動調査」リポートで、24末時点の香港の運用資産残高は前年同期比13%増の35兆香港ドル(約665兆円)だったと明らかにした。特にプライベートバンキングおよびウエルスマネジメント事業が好調で、運用資産残高は前年同期比15%増え、3840億香港ドル(約7兆3000億円)の資金純流入を記録した。

今年上半期(1~6月)は香港の多くの銀行がウエルスマネジメント事業の大幅な伸びを実現した。英金融大手HSBCは香港の同事業で新たに顧客を60万人増やした。英銀大手スタンダード・チャータードの香港の富裕層顧客も8%増加した。

香港金融管理局(HKMA)の余偉文総裁は香港の資産運用・ウエルスマネジメント市場の盛況について、アジア太平洋地域の資産増大に伴う高い需要から恩恵を受けていると指摘。さらに、成熟した金融市場と信頼性の高いペッグ制、安定した銀行システム、活発な資本市場といった香港独自の優位性のたまものでもあるとの見方を示した。

英不動産総合コンサルティング会社ナイトフランクが発表した25年版「ウエルスリポート」によると、アジア太平洋地域は個人資産の伸びが世界で最も高い地域の一つで、純資産1000万ドル(約14億8000万円)以上で計算すると、アジアの富裕層は24年に85万人を突破し、前年比5%増加した。うち中国内地の富裕層は47万人に上り、世界の20%を占めた。

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業界関係者によると、国際的な資金の流入を受け、投資家が香港と中国内地の経済発展状況に関する認識を大きく改め、資産配分の割合を引き上げつつある。7月末時点の香港証券市場の時価総額は前年同月末比44%増の44兆9000億香港ドル(約853兆1000億円)だった。7月中頃までの香港の新規株式公開(IPO)件数は52件、資金調達額は6.9倍の1240億香港ドル(約2兆3600億円)で、世界で暫定トップに立つ。資本市場の活発さがウエルスマネジメント業界の成長につながっている。【新華社香港】

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