中国社会科学院が5月に発表した「2024中国ネット文学発展研究報告」によると、2024年末時点で中国のネット文学市場は前年比6.8%増の430億6000万元(約9000億円)となり、ネット文学IP(知的財産)の市場規模も14.6%増の2985億6000万元(約6兆3000億円)と大幅に拡大した。ネット文学作家は3119万8000人と初めて3000万人の大台を突破、作品数は4165万1000件、ユーザー数は10.58%増の5億7500万人に達した。

ネット文学IPは、ショートドラマやゲーム、グッズなどに改編され、各産業の成長を後押ししている。ネット文学を代表する歴史ファンタジー「慶余年」をベースにしたドラマ「「慶余年2」は、1話あたりの視聴回数が1億回を超え、同作品のIPを利用したブラインドボックスは20万個以上売れた。

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生成AIやAI翻訳などの活用が進むにつれ、中国ネット文学の海外展開も加速している。2024年の海外市場規模は50億元(約1100億円)余り、海外ユーザーは3億5000万人を超え、世界200カ国・地域以上を網羅した。うち日本市場のユーザー数は前年比180%増と新興市場で最も伸びた。ネット文学をドラマ化した「慶余年2(Joy of Life 2)」や「与鳳行(The Legend of Shen Li)」「墨雨雲間(The Double)」なども、海外で「C-Drama(中国ドラマ)」ブームを巻き起こしている。

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*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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