<ゴルフ5レディス 2日目◇7日◇GOLF5カントリーサニーフィールド(茨城県)◇6380ヤード・パー72>
同じことでも、言い方ひとつでとらえ方は大きく変わるもの。それが、高橋彩華が2日目に見せた猛チャージの支えとなったようだ。
2アンダー・34位タイからスタートした高橋が、7つスコアを伸ばしトータル9アンダー・5位タイまで大きく順位をアップ。プレーオフのすえに2位となった今年の「ニチレイレディス」初日にマークした「67」を上回る、自己ベストの「65」を記録し、一気に優勝争いに名乗りを挙げた。
同級生3人とドレス姿で仲良くピース!
「ベストスコアを更新できてよかったです」と会心のラウンド後、笑顔を見せた高橋。3番パー4で5mのバーディチャンスをねじ込むと、そこから奪った7つのバーディは最長でも3m以内を沈めたもの。「昨日はショットが曲がって大変でした」という課題を一日で修正し、ショット、パットともにさえわたる1日となった。
このビッグスコアの要因はどこにあるのか? 高橋は、こんな考え方の変化があったことを口にした。
伸ばし合いとなった初日は、淺井咲希が出したベストスコアの「63」をはじめ、“8アンダー”、“6アンダー”の選手が乱立。“出遅れた”高橋は、その状況を見て『どうやったら私もあのスコアが出せるかな?』とキャディにポツリとつぶやいた。そしたら、返ってきた答えは「パー5で4つ、それ以外で3つ獲ればでるよ」というもの。これが、「“確かに”って思えました。そう考えると意外にできるんじゃない?って」。“言葉のトリック”ともいえるが、この日の結果は“パー5で4つ+それ以外で4つ”とそれ以上の結果を残した。

「神経質でネガティブ」と自らの性格を評する。思い悩むと、とことん落ち込み、それがパット時に手が動かないなどの影響を及ぼしてきた。「去年から今年の前半戦はパターで苦しんで、思い出すだけでも泣けるくらい」。今季は開幕から9戦で8試合の予選落ちを喫するなど、状態が上がらなかった。
しかし、5月のメジャー今季初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で13位タイに入ると、徐々に上向きに。前述したニチレイレディスでの優勝争いなど、上位に顔を出す機会も多くなった。
それでも「いつも自分に負けてきました」。プレッシャーのかかる場面では、弱気が顔を出した。
だからこそ、気楽になれる言葉は大きな支えになる。「些細なことで自信はつく」ということにも気づき始めたという。それもあって、初優勝に向け3打差を追いかける明日も、「上は見ずに赤文字(アンダーパー)であがって、伸ばしたい」と気持ちを楽に臨むつもりだ。黄金世代10人目の優勝について「みんなと同じ位置に並びたいとは思います」というのも本音だが、考え方の変化が、初タイトルに高橋を近づける。
(文・間宮輝憲)


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