<ホンダLPGAタイランド 最終日◇9日◇サイアムCCパタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>
シンガポールとタイを転戦した2週間で渋野日向子は何を得たのか。「HSBC女子世界選手権」では「アンダーパーで回れる気がしない」という弱気な発言も残すほどだった。
ショットの乱調に苦しみ4日間でトータル11オーバー。地元の招待選手を除けば最下位という結果に終わった。
ガラッと変えた渋野日向子のドライバースイング【連続写真】
そして、舞台をタイに移して行われた「ホンダLPGAタイランド」。湿ったコースではランが出ないなかで飛距離をロスしながらも初日を「68」にまとめた。「上出来のゴルフ」と手ごたえをつかんだ渋野だったが、2日目にはラフからのアプローチで苦戦。スコアを伸ばせずにパープレーと停滞した。

3日目には5バーディを奪いながら、ボギーも3つ。課題としていたアプローチはまだ機能しなかったが、しっかりと調整して迎えた最終日。今度はティショットに苦しみ、フェアウェイキープは14分の7。それでもバーディを5つ奪い、ボギーを2つに収めた。
渋野はシーズンはじめから一貫してパー5でバーディを獲りたいと話してきた。今大会では16回のパー5でバーディが6回、ボギーが2回。
ここでスコアを4つしか伸ばせていない。100ヤード以内の精度を上げることを目的にウェッジ4本を入れた今季。しっかりとバーディが獲れる精度はまだまだ必要だ。
さらには、パー5での2オン狙い→グリーンを外して寄せきれずパー、という流れも変えなければいけない。パーセーブのためのアプローチとともに、バーディを獲るためのアプローチにも精度が求められるのが米ツアーだ。
順位こそ34位タイに終わったが、そんな課題が見えたのは大きい。
スイング改造中で安定感は増しているが、そのぶん飛距離ロスは否めない。海外選手の飛距離に負けてしまう場面も多いが、そのぶんを埋めるのが精度とショートゲームのスキルアップ。戦うために必要なものが改めて分かったのは収穫となる。
「ラフに入ったアプローチで2回パーが獲れたのでうれしかった」と、日に日に課題克服へと向かう渋野。「先週に比べたらショットが安定していて、もっとスコアを出したいという感情もあったんですけど、コツコツできたのでよかった。次につながると思います」。

これで1週空いて次戦は米本土の「ピュアシルク選手権」。そして、その翌々週の「全米女子オープン」へと続く。「1週空くのでしっかり調整して休暇を取って、新たな気持ちで臨んで、自分のやるべきことをやり通せるように頑張りたい」。さらなる進化を目指し、米ツアー転戦を続ける渋野の伸びしろに期待。