全米オープン 事前情報◇14日◇トリーパインズGCサウスC(米カリフォルニア州)◇7652ヤード・パー71>
5月の「全米プロゴルフ選手権」で、50歳という史上最年長メジャー勝利を挙げたフィル・ミケルソン(米国)が、今週の「全米オープン」でメジャー連勝、自身の“生涯グランドスラム”達成に臨む。
ミケルソンのブラッシーって?【写真】
14日は公式会見に臨み「今週は本当にまたとない機会。
なぜなら僕は全米オープンに勝ったことがないからね」とミケルソン。
1990年にアマチュアで初出場して以来31年が過ぎたが、実に6度の2位に入りながらも一度も勝利していない。メジャー6勝ながらもこの全米オープンだけが未勝利。4大メジャー大会をすべて制する“生涯グランドスラム”も未完成のままだ。
「今週は“雑音”をシャットオフする。電話も切ったし、色々なものをオフにして、とにかくこの試合にベストな状態で臨みたい。
もちろん勝つためには何かしらの幸運が必要だ。だけども今は自分がとてもいいプレーをしているのだから、すべてのショットにベストを尽くしたい」とベテランは話した。
会場はカリフォルニア州サンディエゴのトリーパインズGC。同地で育ち、今もなおここに暮らすミケルソンにとってはまさに「裏庭」。毎年1~2月にはPGAツアーのレギュラー大会、「ファーマーズ・インシュランス・オープン」が開催されるが、ミケルソンは同大会で3度勝利。ところが最後にここで勝ったのはすでに20年前だ。

コースはサンディエゴ市営のパブリックで、世界ジュニアなど多くの大会が開催されている。「ここで育ったから、僕にとってはとても特別な場所。35年前にプレーしていたころとはずいぶんコースは変わった。当時でもなかなかティタイムがとれず、とれても市営だからとても混んでいて、時間がかかったことを覚えている」と振り返った。
全米プロで勝利を挙げたミケルソンはその夜にカリフォルニアの自宅に戻り、エイミー夫人と「お祝いをした」。その週はすぐにテキサス州に移動、「チャールズ・シュワブチャレンジ」に出場したが予選落ち、「再び自宅に戻ってリラックスして過ごした」という。

先週の「パルメトー選手権」は出場せず、このトリーパインズGCに通い、コースチェックに時間を費やした。
「2月のファーマーズではフェアウェイに湿りがあってコースはずっと長い。今週はフェアウエーが硬くなり速いが、そのぶんフェアウェイをキープすることが余計に難しくなる。さらにグリーンはどんどん硬くなっていて、2日前とぜんぜん違う」とメジャーのコース設定を熱心に研究する。
この日は19歳のアクシャイ・バティア(米国)と練習ラウンド。バティアがレジェンドのミケルソンを質問攻めにする一方で、ミケルソンもバティアに多くの質問をしたという。
「彼のヘッドスピードがすごく速いから、何をどうしているのか知りたかった」とまだまだ進歩に意欲。開幕前日には51歳を迎えるミケルソン。ふたたび偉業達成を目指す。(文・武川玲子=米国在住)

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