<マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第5戦Sanrio Smile Golf Tournament 本戦(1日競技)◇2日◇グリッサンドゴルフクラブ(6453ヤード・パー72)>
将来ツアーで活躍することを目指す若手女子ゴルファーが経験を積むための場を提供するトーナメントとして、2019年に始まったマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(以下MNGT)。22年は年間12試合を開催する予定で、第5戦Sanrio Smile Golf Tournamentがグリッサンドゴルフクラブ(千葉県)で行われた。

ファン投票1位の高原花奈【写真】
3歳でゴルフクラブを初めて握るも、高校時代は開志学園に進み女子硬式野球に専念。2021年に高3で出場した全国高校女子野球選抜大会では優勝を遂げた。だがゴルフの試合は、今大会が初めてという選手がいた。吉村悠菜だ。
この日は4バーディ・6ボギー・1トリプルボギーでトータル5オーバー31位タイ。「初めての試合で緊張しましたが、自分がどこまで出来るのかを知りたいと思っていました」と話し、初挑戦の緊張もあり不本意な結果に悔しさをにじませた。
だがこれからの課題もしっかり見えてきた。
「トリプルボギーは池の縁から打った池越えのセカンドショットで、バーディを獲りたい気持ちがあってリキんでしまい池に入れてしまいました。4打目は池に入れるのを怖がってグリーン奥へオーバー。そこからアプローチが寄らずトリプル。試合でそういう状況を経験したのは初めて。いい勉強になりました」
振る力も当てる感覚も、そして上を向く強い気持ちも、高校時代に野球で培った。
ボールを打つ能力は高くても、それだけじゃプロゴルファーになって活躍することはできない。ゴルフは一打一打が一期一会のスポーツ。さまざまな状況に対応する能力、マネジメント力が必要になってくる。そのために「試合に出て、経験を積み重ねたい」と吉村はいう。
「野球は小学4年のときに始めました。高校では将来ゼッタイにゴルフに役立つと思い、硬式野球部で3年間鍛えてもらいました。
野球とゴルフは共通するポイントがたくさんあります。打つバッティングでは振る力がつき、投げるほうではヒジや手首の使い方を覚えました」という吉村。
ベストスコアは75だが、ハーフは33をマークしたことがあるという。ドライバーの飛距離は260ヤードで力強い球を打つ。だがプロになるには「もっと経験を積み重ねないと上に行けない」と考え、MNGTにエントリーしたのだという。
「今大会では貴重な経験を積ませていただきました。
飛距離が負けていなかったのは自信になりましたが、ショートゲームをはじめ、もっと勉強していかなくちゃいいけないことがたくさんあります。幼いころはやらされていたゴルフが、いまは楽しくなってきました。プロテストに向けて精進します」
初めての試合ながら4つのバーディ奪取は、攻めの姿勢を貫いた結果。ポテンシャルの高さはしっかり見せてくれた。あとは試合での経験値を上げていきたいのだが、MNGTの次戦の出場は未定だ。まずはファン投票で出場権を得たいところ。
吉村のゴルフ道はまだ始まったばかり。しっかりと見届けてゆきたい。(文・河合昌浩)

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