<マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第5戦Sanrio Smile Golf Tournament 本戦(1日競技)◇2 日◇グリッサンドゴルフクラブ(6453ヤード・パー72)>
将来ツアーで活躍することを目指す若手女子ゴルファーが経験を積むための場を提供するトーナメントとして、2019年に始まったマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(以下MNGT)。22年は年間12試合を開催する予定で、第5戦Sanrio Smile Golf Tournamentがグリッサンドゴルフクラブ(千葉県)で行われた。

ファン投票1位の高原花奈【写真】
前半9ホールを終えた時点で首位タイに鵜飼桃、山下加衣、尾崎小梅の3人が3アンダーで並び、1ストローク差の2アンダー4位タイに大須賀望と坂口瑞菜子のふたりが続いた。1日競技だけに1打も無駄にできない息詰まる戦いが、今大会も展開していた。
後半に入ったところで鵜飼がスコアを落とし、17番を終えた時点で首位は4アンダーの山下、2打差で坂口と尾崎、後半4バーディで追い上げてきた鬼塚貴理が追っていた。小さなミスも許されない緊張は18番まで続いた。
結果は山下が6バーディ・2ボギーの4アンダーで逃げ切り、MNGT初優勝。「前半はショットがよくてノーボギー。
後半は風が出てきてドライバーが曲がりましたが、最後まで耐えることが出来ました」と、山下。
そして3パットもあったが、「入れなくちゃいけないところでは入ってくれました」とショットとパターが噛み合っていたことも勝因に挙げた。
MNGTは昨年から参戦しているが、上位に顔を出すようになったのは今年から。「テークバックを手で上げるクセがあり、オフの間にそれを矯正しました。体と腕の一体感が出て、ショットがよくなりました」と話す。基本的なことではあるが、体幹で振れるようになってショットがよくなり、同時にアプローチやパッティングも向上したという。

しかし1打を争う緊張感が続くラウンドで、集中力を切らさずに回りきることができたのは圧巻。「周りの選手のスコアは意識せず、自分のゴルフに徹しました。バーディを獲られても意識しないようにしていたのがよかったのかもしれません」と、山下。
これもまたゴルフの基本ではあるが、他の選手と競うのではなく、己と向き合いコースと勝負をするのがゴルフ。そこに徹したことで、集中力が途切れなかったのだ。
そして「疲れないサプリメントを溶かしたドリンクを緊張する場面では必ず飲んでいたのがよかったのかもしれません」と集中力が途切れなかったもう一つの理由を教えてくれた。
そのサプリメントがどう効いたのかは分からないが、緊張すれば口が渇くもの。バーディパットの緊張をドリンクでほどいたことも勝因の一つだったのだろう。
この優勝で大きな自信をつかんだ山下。「このツアーはインターネットのライブ中継があって、気を抜けない環境があります。それがいい経験になっています」と話したが、この勢いのままプロテストに挑んで笑顔の結果を出してほしいものだ。(文・河合昌浩)


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