大和ハウスグループ会社、「マンション内配送サービス」の実証実験を開始 再配達ゼロへ向けた取り組み
大和ハウスグループの大和ライフネクストは、新たな取り組み「マンション内配送サービス」の実証実験を、都内のマンションにて実施すると発表した。

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宅配会社からマンション管理員への荷物の受け渡し/マンション管理員による荷物の配達なお、同実証実験には、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便が参画するという。


近年、多様化するライフスタイルとともにインターネット通販などEC市場が拡大する一方、CO2排出量の増加やドライバーの人員不足につながる「再配達」が深刻な社会課題となっている。

分譲マンションにおいては、共有スペースにおける宅配ボックスの設置や置き配の活用など再配達率削減への取り組みが進んでいるが、居住者の不在時に「宅配ボックスの空きがない」「マンションセキュリティ内に入れず置き配ができない」などの理由から再配達の増加につながっているという。

また、居住者にとっても「インターホン鳴動から訪問までの待機時間が長い」「宅配ボックスが埋まっていて荷物が受け取れない」等の課題があるとのことだ。

そこで、同社は、再配達率の削減と居住者の利便性向上を目指す新たな配送の仕組み「マンション内配送サービス」を考案し、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の協力のもと、実証実験を実施。

■「マンション内配送サービス」の仕組み

配送の流れ

(1)マンション管理員が宅配会社(日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便)の荷物を全住戸分一括(冷蔵・冷凍・代引き・書留含む郵便物・貴重品便等の一部の荷物を除く)で受け取り。荷物はマンション内に設置する専用倉庫に納品。

(2)マンションを熟知した管理員が、宅配会社に代わって各住戸に荷物を配達。居住者が不在のため玄関先で渡せなかった荷物は、マンションごとの管理ルール内で宅配ボックス・置き配を積極的に活用し、効率的な配送と再配達ゼロを目指す。

(3)上記の方法でも配達できなかった荷物は、管理事務室および専用倉庫で一時的に保管。これらの荷物は、管理員の業務時間内であれば管理事務室(受付)でいつでも受け取ることが可能。(宅配ボックスへの配達時と同様に、不在票を投函し居住者に通達)

(4)管理員は、大和ハウスグループのモノプラスと開発中の専用アプリ(開発中)を使用し「宅配会社からの荷物の受け取り」および「居住者への荷物の配達」を記録。

大和ハウスグループ会社、「マンション内配送サービス」の実証実験を開始 再配達ゼロへ向けた取り組み
「マンション内配送サービス」利用イメージ

■同取り組みが目指すゴール

宅配会社:荷物の一括引き渡しによる配送の効率化
これまではオートロック付きマンションのエントランスで配達先一戸ずつにインターホンを鳴らして配達していた荷物を、マンション単位で一括配送できるようになり、再配達も発生しないことから、配送の効率化が図られる。

居住者:荷物受け取りにおける利便性・安心感の向上
・受け取れなかった荷物はマンション内で保管されるため、再受け取りがスムーズになる
・別々の宅配会社からの荷物を一度にまとめて受け取ることができるようになる
・日ごろから接点のある管理員が配達を行うため安心感がある

マンション管理会社:管理のノウハウを生かした新たなサービス提供による顧客満足度向上
・居住者の利便性向上につながり、建物管理サービスにおける新たな付加価値を創出できる
・管理員が配送業務の一部を担うビジネスモデルの構築により、収益増加と社会課題への貢献につながる

■実証実験概要

期間:2024年11月11日~2025年1月末(予定)
場所:東京都中央区内の分譲マンション(約200戸)
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