
■借入金利の上昇、企業の57.6%が業績に「マイナスの影響」
借入金利の上昇が業績に与える影響について聞いたところ、「マイナスの影響がある」と考えている企業は57.6%となった。一方で、「プラスの影響がある」は2.5%、「影響はない」は24.9%となり、これらを合計しても3割未満にとどまった。業績への影響業界別では、「マイナスの影響がある」と回答した割合が最も高かったのは「不動産」で71.6%と、唯一7割を超えた。次いで、「運輸・倉庫」「製造」「小売」が6割台で続いた。

■具体的影響では「返済負担が増える」が69.2%でトップ
借入金利の上昇で業績に「マイナスの影響がある」企業に、その具体的影響を聞いたところ、「返済負担が増える」が69.2%で最多に。「利益が減る」は50.9%と半数を占めた。
■自社事業への対処、「事業内容は変えない」が最多。「利益率の高い事業を拡大」は15.7%
借入金利の上昇で業績にプラスまたはマイナスの影響がある企業に対して、自社の事業での対処法を聞いたところ、「事業内容は変えない」が62.2%で最多に。以下、「利益率の高い事業を拡大する」「利益率の低い事業を縮小する」「新しい事業に参入する」「利益率の低い事業から撤退する」の順に続いた。金利の上昇にともない、より利益率の高い事業へと経営資源を集めようとする動きがうかがえる。

■金利1%上昇で、「財務体質の改善」「価格転嫁(値上げ)」を実施
今後、借入金利が1%上昇した場合、どのような対策を行うか聞いたところ、「財務体質を改善する」が27.2%で最多だった。続いて「価格転嫁(値上げ)を行う」「借入金利を前倒しして返済する」「金利の引き下げ交渉を行う」が2割台で並んだ。

調査期間:2025年3月17日~3月31日
調査対象:全国2万6,674社
有効回答企業数:1万716社(回答率40.2%)
<参考>帝国データバンク『金利上昇に関する企業の影響度調査』