航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏が5月2日(月)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、ロシア軍に破壊された世界最大の航空輸送機、「An-225」について語った。
ウクライナ首都キーウ近郊ホストメリの空港で、ロシア軍に破壊された世界最大の貨物機アントノフ225「ムリーヤ」=2022年4月2日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
ロシア軍の攻撃によって破壊された「An-225ムリーヤ」は世界最大の航空輸送機。「ムリーヤ」は、ウクライナ語で、「夢」「希望」を意味する。鳥海氏は「日本では、2010年、中部国際空港セントレアに来ましたし、2011年の東日本大震災の後には、フランス政府がチャーターして、様々な物資を届けてくれました。災害が起こった時、大量の荷物を運ぶ時、250トンもの荷物を運ぶことができる。世界に1機しかない希少価値もあって、思い入れのある方も多かったと思います」と航空ファンの思いを語った。また新型コロナの影響で国際線の利用者が減少する中、貨物単価が上昇していることもあり、「破壊されなければ、需要もあり、稼ぐこともできたはず」との見解も示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領が復活させたいとTwitterに投稿したことについては、「ムリーヤは6発エンジンの超大型機。現代は2発エンジンが主流となっているので、復活させるのはかなり大変だと思います。募金活動なども始まっていて、ウクライナ復興の象徴になれば嬉しいですが、今はまだ戦闘が続いている途中なので、復活に向けての動きは戦争が終わってからになると思います」と話した。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏
また今回のウクライナへの軍事侵攻が航空旅客に与えた影響については、「日本人も海外に行けるようになり、ハワイ、バンコク、オーストラリアなどに出掛けているが、軍事侵攻がなければ、このゴールデンウィークにパリやロンドン、イタリアなどヨーロッパに出掛けた人も多かったと思う。今はシベリア上空の飛行禁止などの影響で、日本からの移動に時間がかかるようになり、海外に行ける人は限定的になっている」とコメントした。
- 【世界最大の貨物機アントノフAn225ムリーヤ】 ドイツ西部ラウツェンハウゼンのフランクフルト・ハーン基地に着陸したウクライナの貨物航空会社所有のアントノフAn225ムリーヤ輸送機。190トン近い天然ガス発電機をアルメニアに輸送するため同空港に飛来した。エンジン6基、最大搭載量250トン、最大離陸重量600トンという世界最大の航空機。ソ連時代の1988年に初飛行し、ソ連解体後、ウクライナ機となった(ドイツ・ラウツェンハウゼン) 撮影日:2009年08月11日 dpa/時事通信フォト 写真提供:時事通信
- ウクライナ首都キーウ近郊ホストメリの空港で、ロシア軍に破壊された世界最大の貨物機アントノフ225「ムリーヤ」=2022年4月2日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
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